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2020年2月15日

なぜか人気が高まる新興国株式―今月下旬に現地調査に行きます



新型コロナウイルスによる肺炎流行で中国だけでなく日本を含めた世界経済への影響が懸念されています。ところが不思議なことに、米国では新興国株式への人気がジワジワと高まっているとか。モーニングスターによると、米国籍オープンエンドファンド(ETF含む)のうち新興国株式ファンドへの資金流入が3カ月連続で増加しているそうです。

米国籍投信、新興国株式にマネー流入―新型肺炎拡大の「中国」も活況(モーニングスター)

私は新興国投資大好き人間なので、これは無視できません。ちょうど今月下旬から仕事でインドネシアとマレーシアに出張する予定なので、なぜ新興国株式が注目されるのか現地調査してこようと思います。
2020年2月11日

確定申告の準備―今年は医療費控除に挑戦します



遅ればせながらですが2019年分の確定申告の準備を始めました。あいかわらず締め切り間際にならないとやる気にならない性格なのが悲しいところです。とはいえ米国の個別株に投資しているので外国税額控除で二重課税されている税金の一部を取り戻す必要がありますし、国内の個別株投資でも少しばかり損益通算による繰越損があるので、やはり払い過ぎた税金を返してもらわなければなりません。さらに昨年は胆石症の手術を受けたりしたので医療費もそれなりの額になっています。なので今回は初めて医療費控除にも挑戦します。
2020年2月9日

GPIFの2019年10~12月の運用成績は+4.61%―年金積立金の役割は“緩衝材”



年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2019年度第3四半期(10~12月)運用状況が発表されましたので定例ウオッチです。10~12月の期間収益率+4.61%、帳簿上の運用益は+7兆3613億円でした。市場運用開始来の収益率は年率+3.23%となり、運用資産額は168兆9897億円となりました。

2019年度第3四半期運用状況(速報)(GPIF)

世界的に株式相場が好調だったことでGPIFの運用資産も大幅に増加し、資産総額は過去最高となっています。そうなるとメディアではとくに話題にならないというのも毎度のことです。ただ、収益の増減に関わらずGPIFの運用結果に一喜一憂するべきでもありません。なぜなら、年金積立金の役割は、あくまで年金財政における“緩衝材”だからです。
2020年1月28日

悪材料下でも投資を続けられる強み―今月の積立投資(2020年1月特定口座)



新型コロナウイルスによる新型肺炎流行で世界的に危機感が高まっています。株式相場のマインドも一気に悪化し、世界的に株安傾向となりました。こうした悪材料の下では、なかなか新規に資金を投じて投資する気にならないのが人情というもの。ところが、こうした下落局面であえて投資することがリターンの源泉だったりするのが相場の難しいところです。そんな時、自動化された積立投資は強みを発揮します。悪材料下でも機械的に投資を続けることができるからです。今月の積立投資を実行しました。
2020年1月15日

企業型DCはiDeCo以上に低コストファンドをラインアップする責任がある



近年、公的年金を補完する制度として重要性が高まる確定拠出年金(DC)。個人型(iDeCo)への関心が高まる一方で、加入者数で圧倒的大部分を占めるのが企業型DCです。その企業型DCですが、中には高コストなファンドしかラインアップしていないプランが存在する問題が指摘されています。この問題に関して専門メディアも声を上げ始めました。モーニングスターに次の記事が載っています。

723万人の企業型DCに運用商品見直しが急務、同一分類で信託報酬が年0.5%以上の差(モーニングスター)

まったく記事の指摘通りで、企業型DCこそ商品入れ替えの手間を惜しまず、加入者第一の対応を進めるべきです。企業型DCはiDeCo以上に低コストファンドをラインアップすべき。それが企業型DCの運用管理金融機関と導入企業の最低限の社会的責任です。
2020年1月10日

積立投資が普及することの本当の意義―フローにおける“貯蓄から資産形成へ”



「つみたてNISA」の登場や個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象拡大などで積立投資の普及が徐々に進んできました。では、そもそも積立投資の普及は日本の家計や金融資産のあり方にどのような意義があるのでしょうか。この点に関してフィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲司所長が非常に納得できる指摘をしていました。それは、家計のストックにおける“貯蓄から投資へ”ではなく、フローにおける“貯蓄から資産形成へ”の流れを生み出すことなのです。
2020年1月6日

インデックス投資オフ会なのに、なぜか話題は靴磨きと新海誠



残念ながら年末年始の連休も終わってしまいました。今年は結婚してから初めての正月ということもあり、夫婦双方の実家に帰ったりで意外とバタバタしていました。そんな中、年末に帰省中だったkenzさんとリバモさんと交えての関西インデックス投資家オフ会に誘っていただいたので参加してきました。ただ、インデックス投資オフ会なのに、投資の話題がほとんど出ないない状態がますますひどくなっています。なぜか靴磨きや新海誠の作品についていろいろ語ってしまったのです。
2019年12月17日

投資信託の自動取り崩しは今後の必須サービス―楽天証券が定率取り崩しを導入へ



日経新聞によると、楽天証券が2019年12月29日から投資信託の自動取り崩しサービスを開始するそうです。

楽天証券、投信の取り崩しサービス 高齢者向け(「日本経済新聞」電子版)

投信の自動取り崩しサービスは既にSBI証券が導入していますが、楽天証券もこれに続くことになります。さらに注目なのが、楽天証券は定率取り崩しもできるようにするとか。これは定額取り崩ししかできないSBI証券と比べて利便性が大幅に高まります。こうなるとSBI証券はじめ他のネット証券も定額・定率いずれも可能な自動取り崩しサービスを充実させることが予想されます。今後、投資信託の自動取り崩しサービスは日本の金融機関にとって必須のサービスになるのではないでしょうか。
【追記】
楽天証券に続いてセゾン投信、ありがとう投信も自動取り崩しサービスを導入しました。

楽天証券、セゾン投信が投信の「定期売却サービス」を発表、ありがとう投信は拡充(モーニングスター)
2019年12月12日

海外ETF投資も買付手数料無料時代に突入―マネックス証券、SBI証券がサービス拡大



ネット証券を中心に手数料無料化の流れが加速度的に進んでいますが、今度は海外ETFの買付手数料でも無料化の動きが一気に出てきました。マネックス証券、SBI証券が海外ETFの買付手数料を無料化、もしくは実質無料化するサービスの拡大を発表しています。

米国ETFの買付手数料を実質無料に~米ドルの為替手数料(買付時)も引き続き無料~(マネックス証券)
SBI証券、各種手数料の無料化および引き下げの範囲拡大のお知らせ~インターネットコースにおいて、以下の追加施策を実施~(SBI証券)

いよいよ海外ETF投資も手数料無料時代に突入しました。
2019年12月11日

国内株式・ETFも取引手数料無料時代に突入―約定代金50万円までなら手数料無料で売買可能に



証券会社による手数料無料化の動きが加速してきました。投資信託の購入時手数料無料化に続いて、ついに国内株式・ETFの取引手数料にも無料化の波が押し寄せています。松井証券、SBI証券、楽天証券、岡三オンライン証券が一定額以下の取引に対して手数料を無料にすると発表しました。

株式取引の手数料無料枠を拡大します ~現物取引・信用取引の手数料が1日の取引金額50万円まで無料に!~(松井証券)
SBI証券、株式委託手数料の無料化の範囲拡大のお知らせ~2019年12月23日(月)から、現物・信用取引ともに、株式委託手数料(アクティブプラン)の1日の約定代金合計額「10万円まで無料」を「50万円まで無料」に拡大~(SBI証券)
楽天証券、国内株式手数料50万円以下を無料に!‐さらに「いちにち信用」金利・貸株料を1.80%に!100万円以上は引き続き0%!‐(楽天証券)
株式取引手数料改訂のお知らせ 1日の約定代金合計50万円まで手数料0円(岡三オンライン証券)

いよいよ日本の証券会社も本格的に“手数料無料時代”に突入したと言えそうです。
2019年11月17日

資産を築くことの価値は最後の“使い方”で決まる―資産50億円トレーダー逮捕が教えてくれること



テレビでは沢尻エリカ逮捕のニュースでもちきりです。あいかわらず日本でも麻薬汚染が深刻なのですが、これは芸能界に限ったは話ではなりません。投資の世界でも11月10日に有名トレーダー・KAZMAXこと吉澤和真容疑者が麻薬取締法違反の疑いで逮捕されていました。

資産50億円トレーダー・KAZMAX、麻薬取締法違反の疑いで逮捕!「マジやばいのあるから来て」(文春オンライン)

FXや仮想通貨、そして会員制オンラインサロン運営で資産50億円を築いた挙句、ヤク中になって逮捕とは香ばしい限りです。こういう事例を見て改めて感じるのが、いくら巨額の資産を築いても、それだけでは意味がないということです。資産を築くことの価値は、やはり最後の“使い方”で決まるということでしょう。
2019年11月16日

ヤングへの金融教育は大切だけれども、おっさんへの金融教育はもっと重要



最近、日本でも若者への金融教育の重要性が徐々に認識されてきました。それはそれで非常に大切なことなのですが、それに加えて重要なのは50代など中高年への金融教育ではないでしょうか。そこには日本のサラリーマンが抱える歴史的経緯と特殊事情があります。
2019年11月9日

GPIFの2019年7~9月の運用成績は+1.14%―ポートフォリオ見直しで資産配分は非公開に



年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2019年度第2四半期(7~9月)運用状況が発表されましたので定例ウオッチです。7~9月の期間収益率+1.14%、帳簿上の運用益は+1兆8058億円でした。市場運用開始来の収益率は年率+3.02%となり、運用資産額は161兆7622億円となりました。

2019年度第2四半期運用状況(速報)(GPIF)

世界的な金融緩和の動きもあって7~9月は堅調な運用結果となりましたが、それゆえにかメディアではあまり話題になっていません。やはりGPIFはマイナスリターンにならないとニュースにならないという悲しい扱いが続いているのでした。
2019年11月7日

グローバル年金指数ランキングに一喜一憂するのは浅い考えである



米国のコンサルティング会社マーサーと豪州のモナッシュ大学ビジネススクール・オーストラリア金融研究センターは毎年、「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」を発表しています。各国の年金制度を「充分性」「持続性」「健全性」の観点から指数化して評価するものです。このほど2019年度のランキングが発表されました。

マーサー 「グローバル年金指数ランキング」(2019年度)を発表 - 家計債務と老後資産の高い相関関係を明確化(マーサー)

日本は毎年、ランキング下位となっており、発表のたびに世間では“日本の年金制度オワコン論”の根拠の一つにされています。しかし、年金問題の専門家の間では、そんな雑な理解はほとんどされていません。逆にランキングの限界を指摘する声があるくらいなのです。
2019年11月4日

必要性が高まる取り崩しシミュレーション―セゾン投信が「長期投資シミュレーション」の提供を開始



セゾン投信がこのほど『長期投資シミュレーション~セゾン号の道しるべ~』の提供を開始しました。

『長期投資シミュレーション~セゾン号の道しるべ~』提供開始のお知らせ(セゾン投信)

とくに興味深いのが「取り崩しシミュレーション」です。これまで積立投資シミュレーションは多くの金融機関などがウェブサイトで提供してきましたが、簡便な取り崩しシミュレーションというのは意外と少なかった印象があります。しかし今後、積立投資の普及に合わせて取り崩しシミュレーションの必要性も高まってくるでしょう。その意味でセゾン投信の動きは意義深いものだと感じます。
2019年11月1日

英国ISAに学ぶNISA恒久化への道―“富裕層優遇”批判を乗り越える制度設計を



NISA(少額投資非課税制度)に関して、政府は2020年度の税制改革では恒久化を見送る方針だそうです。金融庁などは長らく恒久化を要求し続けていますが、やはり税制優遇措置に対する財務省の反発は大きく、恒久化への道は険しいというのが印象です。こうした中、NISAのモデルとなった英国のISA(個人貯蓄口座制度)がどういった形で変化していったのかを参照するのは有効です。その上で、NISA恒久化の大きな障害となっている“富裕層優遇”という批判を乗り越える制度設計が求められていると思います。
2019年10月29日

企業型DCの罠―低コストなバランス型インデックスファンドのラインアップが必要不可欠では



先日、弟から企業年金について相談されました。弟は勤務先で企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入しているのですが、運営管理機関から「1年に1回は資産の状況を確認しましょう」というハガキをもらったそうで、その確認を手伝って欲しいとのことでした。そこで一緒にDC口座の状況を確認したのですが、いろいろと興味深い話を聞きました。やはり自主的にDC口座の資産配分を決定している加入者は少数派だということです。このため運営管理機関である金融機関のアドバイスに従う人が多いのですが、どうもそこに“企業型DCの罠”ともいうべき問題があるように感じました。
2019年10月27日

税金問題はプロに相談しよう―チュートリアル・徳井のお粗末な脱税への雑感



お笑い芸人のチュートリアル・徳井義実の脱税が話題になっています。最初はちょっとした見解相違や申告漏れ程度かと思っていたのですが、実態は相当に悪質なものでした。

チュート徳井、社会保険にも未加入、銀行預金も差し押さえられていた…吉本興業が新たな事実を発表(スポーツ報知)

申告漏れどころか申告自体をやっていなかったというのですから驚きです。おまけに社会保険にも未加入ということですから、まったくもってお粗末の限り。なにより不審なのは、税理士や社労士といったプロのアドバイスを受けていなかったのかということです。日本は税制や社会保障制度が複雑ですから、やはり大切な局面ではプロの指導を仰ぐべきというのが今回の騒動が示す教訓でしょう。
2019年10月13日

前提条件や目的の異なる金融商品を単純比較するのは愚かな行為である



日経新聞に個人年金保険についての記事が載っていました。なにげなく読んでいたのですが、読み終わってなんとも釈然としないものを感じました。

個人年金保険の節税効果 条件厳しくイデコより限定的(NIKKEI STYLE)

なぜ釈然としないのかというと、単純に節税効果だけを比較して個人年金保険よりも個人型確定拠出年金(iDeCo)の方が優れているかのように記述するのは、いささか乱暴だと感じたからです。そもそも個人年金保険とiDeCoは前提条件や目的が異なります。前提条件や目的の異なる金融商品や制度を単純比較するのは愚かな行為だと思うのです。
2019年10月8日

「若者が投資をはじめたくなる」には日本の株式市場や証券会社のガバナンス改革が不可欠だ



日本証券業協会が投資促進プロモーションとして2018年から「100年大学」というサイトを開設しています。19年度は「投資はじめて学部」として“若者が投資をはじめたくなるアイデア”を募集していました。

100年大学投資はじめて学部(日本証券業協会)

学生代表の福原遥ちゃんがあまりにかわいいのでついついサイトを見てしまいます。それで肝心の“若者が投資をはじめたくなるアイデア”ですが、これはもうひとつしかないと思います。そもそも若者に限らず日本人の多くは投資に対して信頼感を持っていません。なぜなら日本の株式市場や証券会社に対する信頼感が全くないからです。だから、若者に投資をはじめてもらうためには、株式市場や証券会社のガバナンス改革が不可欠なのです。

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