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2018年10月4日

iDeCo加入者総数が100万人を突破―ゆっくりだけれど、確実に日本の投資風景を変えてゆく



国民年金基金連合会の発表によると、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者総数が100万人を超えたそうです。モーニングスターが報じていました。

iDeCoの8月新規加入者は約3.53万人、加入者総数が100万人を突破(モーニングスター)

100万人といっても、加入対象者の総数から見ればまだまだ少数派です。しかし、ひとつの象徴的な数字かもしれません。そして、iDeCoの普及は日本における投資に関する風景を変えていくはずだと思うのです。

モーニングスターの記事にもあるように、8月もiDeCo加入者は約3万人となり、加入者総数は100万人の大台を超えました。2017年以降、加入者数は毎月3万人前後のペースが続いており、加入者総数も右肩上がりとなっています。新規加入を牽引しているのが第2号加入者(会社員・公務員)であり、とくに公務員の加入が目立ちます。

公務員が加入している共済年金(民間企業の厚生年金に相当)は従来、民間企業の企業年金(三階部分)に当たる職域加算があったのですが、2015年に共済年金と厚生年金が一元化された際に、職域加算が廃止され、年金払い退職給付に切り替えられたことで公務員は実質的に年金減額となっています。この年金減額を補うために公務員がiDeCoを積極的に活用しようとしている構図です。

ただ、公務員以外の第2号加入者(民間企業のサラリーマンなど)も堅調に増加しています。やはり民間企業のサラリーマンだろうが公務員だろうが、将来の年金に対して不安があるのは共通です。それに対して、ただ不平不満を言っているだけではなく、とにもかくにもできることから対策しようとする人が少しずつだが増えている。iDeCo加入者の増加というのは、そういった静かな動きの表れにほかなりません。

いまのペースが続けば、ゆっくりだけれども確実にiDeCo加入者は増加していくことになる。これは日本における投資風景を変えてしまうくらい大きな意味を持つはずです。なぜなら、iDeCoを通じて国民の多くが日常的に投資活動に参加するようになるわけですから、もはや投資というのは特別なことではなくなる。しかも、そこで行われる投資は、基本的に長期・積み立て・分散投資です。投資あるいは資産運用という言葉のイメージさえ変えてしまうかもしれません。

こうした変化は、過去に米国でも起こったことでした。現在、アメリカ人の金融資産に占めるリスク資産の割合は日本人と比べて高いとされていますが、昔からアメリカ人が投資に熱心だったわけではありません。やはりきっかけは401kなど退職資金向けの税制優遇口座の普及だったことは広く知られています。同じよう現象が日本でも起こるのではないでしょうか。

そう考えると、やはり今回のiDeCo加入者総数100万人突破というのは、象徴的な意味を持ちます。iDeCoなどを通じて普通の日本人だれもが普通に投資する時代が、ゆっくりだけど確実に近づいていると思わずにはいられません。

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【ご参考】
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