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2018年10月5日
大手運用会社も少しは直販投信会社や金融庁を見習いなさいよ
三菱UFJ国際投信が実施した「ブロガー・ミーティング」が話題になっています。参加された何人ものブロガーさんが報告の記事をアップしているので楽しく読んでいたのですが、専門ニュースサイトでも話題になっています。
投信ブロガーとつながる三菱UFJ国際 商品戦略に意見反映、発信力に期待(QUICK資産運用研究所)
三菱UFJ国際投信のような大手運用会社がこうやって(ブロガーといえども)個人投資家と直接交流して意見交換するというのは素晴らしい取り組みです。今回が2回目の開催ということですが、ぜひ今後も続けて欲しい。その上で、あえてエクスキューズしたいことがあります。
三菱UFJ国際投信の「ブロガー・ミーティング」ですが、じつは私も過去に何度か直接メールで参加のお誘いをいただきました。ただ、開催日が平日で、しかも場所は東京。私のように地方在住のサラリーマンが参加するのは現実的に難しいです。そういう思いを抱いている地方在住のブロガーや個人投資家は少なくないのではないでしょうか。
これは三菱UFJ国際投信に限らず、どうも大手の運用会社はセールス目的のセミナーを除くと、イベントを東京でばかり開催する。ブロガー・ミーティングでは「つみたてNISA」などについての認知度が東京に比べて地方で低いということが話題になったそうですが、何をやいわんや。そもそも地方に対してどれだけ足を使ってコミニケーションしようとしてきたか振り返って欲しいものです。
その点、例えばさわかみ投信やセゾン投信、「ひふみ投信」のレオス・キャピタルワークス、鎌倉投信など直販投信会社は立派なものです。代表者や幹部が毎日のように地方を回って、その地方の個人投資家やブロガーとの交流を進めています。実際に私が澤上篤人さんに初めてお会いした場所は大阪でしたし、中野晴啓さんや藤野英人さんに初めてお会いした場所は奈良でした。こうした日々の地道な活動が、彼らとその会社・ファンドの人気を支えている。
また、金融庁の活動も立派なものです。金融庁は現在、「つみたてNISA」の認知度向上のために全国で国民との対話イベント「つみたてNISA Meetup(つみっぷ)」を開催していますが、これなどは大都市圏だけでなく、それこそ中規模・小規模な地方都市までフォローしている。やはり担当者が自分の足で地方を歩き、そこの個人投資家とのコミニケーションを図っているのです。
投資に限らず、政治家から宗教家、はたまた演歌歌手や芸人まで同じですが、やはり自分の考えを広く国民に知らせるためには地方を回ることが必要なのです。それをドサ回りと言って避けていてはいけない。ドサ回りこそプロモーションの一丁目一番地です。東京でなにかやってメディアに取り上げられただけで、何かやったつもりになっているようでは、きっとうまくいかないでしょう。
だから、三菱UFJ国際投信やそのほかの大手運用会社も少しは直販投信会社や金融庁のやり方を見習いなさいよ。もっと自分の足で地方を回って欲しい。確かに東京でイベントを開催するよりも経費がかかるし、費用対効果も少ないことでしょう。しかし、代わりに地方で得た支持は“固い”ですよ。経費が問題なら、それこそ参加者に弁当を配るのを止めればいい。それだけで担当者の出張経費ぐらいは捻出できるのでは。
明治の文豪、徳冨蘆花は「国家の実力は地方に存する」と書いています。これは投資の普及という点でも同じでしょう。本当の意味で日本で投資を普及させるためには、大手運用会社や金融機関が、もっと地方の人々と直に向き合うことが必要なはずです。なので、「ブロガー・ミーティング」のような試みを、ぜひ地方でも開催してほしいと思うのです。