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2018年10月3日

日本株は“普通の状態”に戻ったのか



日経平均株価が26年ぶりに2万4000円台に乗るなど日本株が堅調です。バブル崩壊以降、長らく低迷が続いたことで日本株に関しては日本の投資家がいちばん疑心暗鬼になりがちなのですが、楽天証券経済研究所の窪田真之所長が心強い分析を書いています。

日本株 ようやく活躍の出番がやって来た(NIKKEI STYLE)

ようするに日本株もようやく“普通の状態”に戻ってきたのかもしれません。

バブル経済の時代は極めて高水準だった日本株ですが、冷静に考えれば、やはりバブルの時代の株価が異常だったのです。窪田さんは次のように書いています。
日本株はバブル期には、利益を無視して上昇し続けました。1973年に東証1部上場銘柄のPERは平均約13倍だったのですが、89年には60倍まで上昇しました。
PER60倍など、誰が考えても異常な状態です。ところが、それを異常だと思わない人が多かったからバブルだったわけです。今から考えれバカバカしい話ですが、最近でも仮想通貨の熱狂などを見れば、当時の人を笑うことはできません。として「利益の裏付けのないバブル水準まで上昇した日経平均はその後、長期低落をたどることになりました」というのも当然の帰結だったわけです。

それでは現在の日本株の水準はどうなのか。東証1部の予想PERは15倍台ですから、割安とまでは言えないけれども、割高でもありません。まさに“フェア・バリュー”として現在の株価水準があると言えそうです。つまり、企業業績という裏付けを持った株価となっている。だから窪田さんは次のように指摘します。
ようやく、利益で説明できるバリュエーションに戻りました。これからは米国株と同じように、利益で説明できる範囲で長期的に上昇していく時代に入ったと考えています。
これは非常に大事な視点だと思う。なぜ米国株がこれほどまでに上昇したのか。それは、紆余曲折を経ながらも、いつも最後は企業業績という裏付けのある株価として上昇を続けたからです。裏付けを欠いた株価上昇は必ず崩壊するが、企業業績という実態をともなった株価は幻影ではないのです。それが株式市場の“普通の状態”でしょう。バブル崩壊後、長い調整期間を経て、ようやく日本株も“普通の状態”になったのかもしれません。

あいかわらず一部の個人投資家の間で“日本株オワコン論”があるわけですが、どうも現実はそれほど単純ではなさそうです。私わ国際分散投資において、案外と日本株が今後のリターンに大きな影響を与えるのではないかという期待を密かにもっています。

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