サイト内検索
2020年1月12日

先進国株式を一部売却して定期預金にスイッチング―2020年最初の投資はiDeCoのリバランス



2019年は株式相場も堅調に堅調に推移したことで多くの積立投資家は資産ポートフォリオの評価額がかなり増えたことでしょう。こうなると、ついつい“イケイケドンドン”となってしまうのですが、これが大きな落とし穴。相場が好調な時ほど自分のポートフォリオがリスク過剰になっていないかをチェックするべきです。もし当初設定した資産配分から大きな乖離が生じているなら、冷静なリバランスを実施することが大切。私の場合、ここ数年は正月休みを使用して個人型確定拠出年金(iDeCo)ポートフォリオの資産配分の確認とリバランスを実施しています。2020年もこれが最初の投資となりました。

現在、SBI証券のiDeCo「オリジナルプラン」で運用を行っていますが、ポートフォリオの資産配分は次のように設定しています。ただし、国内債券と先進国債券<為替ヘッジ有>への投資は一時撤退しており、現在は定期預金で代替しています。



現在のiDeCoポートフォリオの評価額の資産配分を確認したところ、やはり昨年の株価上昇で先進国株式、新興国株式、国内株式、グローバル中小型株式、グローバルREITのいずれもがオーバーウエートになっていました。そして当然、定期預金、先進国債券、新興国債券はアンダーウエートになっています。とくに規定の資産配分から大きく乖離しているのが先進国株式と定期預金です。そこでこのほど、先進国株式インデックスファンドの一部を売却し、定期預金にスイッチングしました。

このように年1回程度のリバランスを行うことで、当初設定したリスク量にポートフォリオのリスク量を合わせることになります。現在のように相場が堅調だどうしてもリスク資産への資産配分を多くしたくなる気持ちが高まるというのは人情ですが、そういった一時的な感覚で動くとあまりいいことがないというのは、これまでの経験でなんとなくわかります。やはり冷静に自分が決めたリスク量を再確認して、機械的ににリバランスするぐらいがちょうどいい。文字通り機械的に頭を冷やすことができるというのは大きなメリットです。また、リバランスには付随的にですが長期的なリターン向上が期待できるというデータもあります。いわゆる“リバランス・ボーナス”効果です。

これは実感としてもそれなりの効果があるように感じます。例えば今回のリバランスは、昨年とまったく逆のパターンでした。2019年も1月にリバランスを実施したのですが、その時は2018年の株式相場が不調だったことで先進国株式、新興国株式、国内株式、グローバル中小型株式、グローバルREITがいずれもアンダーウエートになり、逆に定期預金、先進国債券、新興国債券はオーバーウエートでした。そのため定期預金、先進国債券、新興国債券をそれぞれ一部売却し、先進国株式、新興国株式、国内株式、グローバル中小型株式、グローバルREITを買い増すスイッチングを指図しました。

さらに前年の2018年1月に実施したリバランスも、やはり逆のパータンです。2017年の株式相場が好調だったことから、オーバーウエートになっていた先進国株式、新興国株式、国内株式、グローバル中小型株式のインデックスファンドをそれぞれ一部売却し、定期預金、先進国債券、新興国債券にスイッチングしているのです。結果的にですがここ数年、リバランスのたびに値上がりした資産を利益確定し、値下がりした資産をナンピン買いしたことになります。これにより累積リターンも上昇しました。まさに“リバランス・ボーナス”を享受しているわけです。

このように自分のリスク量を一定に保つという目的を第一として、さらに付随的な効果も含めて定期的なリバランスは非常に大事なのです。だから、グローバルポートフォリオを組んでの国際分散投資をするなら、定期的なリバランスは必ず行うべきだと思います(ただし、あまり頻繁にリバランスするのはお勧めしません。かえって相場のトレンドを後追いすることになり、裏目に出ることが往々にしてあるからです。全面的なリバランスは、せいぜい1年に1回、多くても半年に1回程度の頻度にしておいたほうがよさそうです)。

【関連記事】
下落相場では冷静にリバランスを―2019年最初の投資はiDeCo口座
2018年最初の投資はiDeCo口座のリバランス

【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

iDeCoの前提として日本の公的年金制度について勉強するなら、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障 増補版』が最良にして必読の入門書です。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。



iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。





関連コンテンツ