2019年1月9日

下落相場では冷静にリバランスを―2019年最初の投資はiDeCo口座



昨年末からの世界同時株安で、相変わらず不安定な相場が続いています。こういった下落相場になると含み損をどうすべきか、あるいは追加投資に向かうべきかといろいろと迷うわけです。そんな時にお勧めなのは、自分のポートフォリオの資産配分を確認して、冷静にリバランスすることです。私の場合、毎年正月休みを使用して個人型確定拠出年金(iDeCo)ポートフォリオの資産配分の確認とリバランスを実施しています。iDeCo口座のリバランスが2019年最初に投資ということになります。

私は現在、SBI証券のiDeCo「オリジナルプラン」に加入していますが、ポートフォリオの資産配分は次のように設定しています(ただし、国内債券と先進国債券<為替ヘッジ有>への投資は一時撤退しており、現在は定期預金で代替しています)。



現在の評価額を自作のExcel計算シートに打ち込んでみました。やはり昨年後半からの下落相場で、先進国株式、新興国株式、国内株式、グローバル中小型株式、グローバルREITがいずれもアンダーウエートになっていました。逆に定期預金、先進国債券、新興国債券はオーバーウエートです。

そこで定期預金、先進国債券、新興国債券をそれぞれ一部売却し、先進国株式、新興国株式、国内株式、グローバル中小型株式、グローバルREITを買い増すスイッチングを指図しました。

この時、なかなか興味深いことに気づきました。iDeCo口座でリバランスを実施するのはちょうど1年ぶりなのですが、前回は今回とちょうど逆のパターンを指図しています。相場の好調でオーバーウエートになっていた先進国株式、新興国株式、国内株式、グローバル中小型株式のインデックスファンドをそれぞれ一部売却し、定期預金、先進国債券、新興国債券にスイッチングしているのです。

あくまで結果論ですが、18年のリバランスでは好調だった株式を利益確定し、19年は逆に株式をナンピン買いしたことになります。年に1回、機械的にリバランスしているだけですが、なかなか調子のいい話です。この積み重ねが最終的なリターンの上昇につながる可能性があるわけです(いわゆる“リバランス・ボーナス”効果)。

そして、リバランスにはもっと重要な役割があります。それは、当初設定したリスク量にポートフォリオのリスク量を合わせることです。現在のように不安定な相場になると、リスク資産を減らしたほうがいいのではないか、あるいはもっとリスク資産を増やすチャンスではないかと考えてしまうケースが多い。しかし、一時の感覚で動くと、まあ、あまりいいことがないというのは、これまでの経験でなんとなくわかります。そこで冷静に自分が決めたリスク量を再確認して、やはり冷静にリバランスするぐらいがちょうどいいのではないでしょう。それによって心の平静を取り戻すという効果もあるのですから。

(ちなみに、あまり頻繁にリバランスするのはお勧めしません。かえって相場のトレンドを後追いすることになり、裏目に出ることが往々にしてあるからです。全面的なリバランスは、せいぜい1年に1回、多くても半年に1回程度の頻度にしておいたほうがよさそうです。)

【関連記事】
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【ご参考】
iDeCoは金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なります。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン

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