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2025年8月15日

マーケットの主張に押される―ひふみ投信の2025年7月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2025年7月次運用報告書が出ていたので定例ウオッチです。7月の騰落率は+2.51%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+3.17%でした。純資産残高は7月31日段階で1761億円(前月は1737億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高9021億円(前月は8873億円)となりました。残念ながら、参考指数に対してアンダーパフォームしています。やや、マーケットの主張に押されたと言えそうです。

7月は、前半こそ米国の関税政策や日本の参議院選挙などに対する先行き不透明感から株価指数も下落傾向にありましたが、後半に入ると米国の日本に対する追加関税が15%に引き下げることで合意したことを受け、輸出関連銘柄を中心に大幅な上昇となりました。

こうした中、「ひふみ投信」は、関税リスクを乗り越えて成長していけるグローバル企業や資本政策の大幅な改善による自助努力で企業価値を向上できる企業、グローバルで付加価値が十分発揮できる日本発のIP・コンテンツ企業、関税による影響が軽微で構造的成長が可能な企業への投資を積極化してきました。このため7月は、関税による影響の大きな外需景気敏感株の急激な上昇というマーケットの主張に押され、参考指数に劣後する結果となっています。

ただ、米国の関税政策に関しては日米双方の認識に若干の齟齬がある可能性があり、今後も予断を許しません。「ひふみ投信」としても、急上昇した外需景気敏感株を今後、どのようにポートフォリオに組み入れていくのか難しい局面と言えそうです。この点に関して運用責任者の藤野英人さんは「ひふみでは関税による影響の軽微な企業の保有ウェイトを上げており、これらの銘柄は長期的に企業価値の向上が狙える企業ばかりです。一方で、関税の影響により一時的に投資を見合わせてきた外需企業も多く存在していたため、徐々に組入比率を上げてきました。今月のような短期的な外需シクリカル銘柄の上昇相場を的確に当てることは難しいですが、一定程度ひふみでもリターンを確保できたと考えています」と述べています。

なかなかバランスをとるのが難しい市場環境ですが、頑張って欲しいと思います。

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