以前から欲しいと思っていたバブアーのワックスドコットンジャケットを買ってしまいました。さっそく愛用しているのですが、さすが英国王室御用達。なんとも絶妙な「アンダーステートメント」を演出してくれるアウターとして非常に満足感が高いです。これからガシガシ着ていこうと思います。
バブアーは1894年にジョン・バブアーがイングランド北東部の港町サウスシールズで創業したブランド。北海で働く水夫や漁師、港湾労働者にワックスでコーティングして防水性を持たせたコットン生地を提供したことが始まりです。その後、ワックスドコットンを使ったジャケットは品質の高さから英国海軍に採用され、さらに乗馬、ハンティングなど英国上流階級のアクティビティに不可欠なアウトドア・ライフスタイルブランドとして今日に続いています。
英国王室御用達としてエリザベス女王、故エディンバラ公フィリップ殿下、チャールズ皇太子の3人すべてからロイヤルワラントを与えられている数少ないブランドであり、まさに“英国紳士・淑女の野良着”として高い人気があります。以前から欲しいと思っていましたが、ワックスドコットンの取り扱いに自信がなかったこともあって購入を躊躇していました。しかし、どうにも我慢ができなくなって買ってしまいました。
バブワーのワックスドコットンジャケットは、乗馬ジャケットがベースの「ビデイル」、ハンティングジャケットの「ビューフォート」が定番ですが、今回購入したのは「ビューフォート」。「ビデイル」と「ビューフォート」はともに細身の「SL」がありますが、購入したのはレギュラーフィットの方です。カラーは、これまた定番のセージグリーンです。
実際に手にしてみると、ワックスドコットンの表情が独特で、なんとも言えない雰囲気があります。これはちょっと他の素材では表現できません。武骨でいて上品。ほれぼれする素材です。ちなみにバブワーのワックスドコットンは「ベタつく」「臭い」といった意見がありましたが、最近はワックスが改良されており、ベタつきや臭いはまったく気にならないレベルです。
バブアーの最大の魅力は、絶妙な「アンダーステートメント」を表現できるアイテムだということでしょう。「アンダーステートメント」というのは「控え目な表現」という意味ですが、これこそ英国スタイルのキモだったりします。全体をビシッとお洒落に決めてしまうのではなく、どこか微妙に外したところを入れておくスタイルです。そういう観点で見ると、バブアーの実用一点張りの武骨なデザインや仕様、ワックスドコットンという旧世代の素材はなんとも絶妙な「アンダーステートメント」を表現できるのです。
だからバブアーは本来の用途であるアウトドアだけでなく、ドレススタイルによく合います。例えばビシッと決めたスーツの上から、無造作にバブアーを羽織る。典型的な「アンダーステートメント」で、英国のビジネスマンにはおなじみのスタイリングです。ちなみに私が今回、「ビューフォート」の方を買ったのもスーツに合わせるスタイリングをしたかったから。「ビューフォート」は「ビデイル」よりも着丈が長いので、スーツの上着の裾をきちんと隠してくれるのです。
基本的に“野良着”ですから、それこそ無造作に使うのがふさわしい。ワックスドコットンは使い込むほどに独特の使用感が出てくるので経年変化も楽しめます。破れたら当て布で補修して使い続けるのが逆にかっこいい(実際にチャールズ皇太子は継はぎだらけのバブアーを愛用し続けています)。まさに一生モノなわけです。
定番中の定番ブランドですが、だからこそワードローブには1着入れておきたいブランドです。購入して本当に良かったと思いました。これからガシガシ着て、英国風の「アンダーステートメント」を楽しみたいと思います。
【ご参考】