まったく迂闊な話ですが、SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)オリジナルプランで積立投資しているパッシブ型ファンド「EXE-i」シリーズの第8期(2020年5月13日~2021年5月12日)運用報告書が7月に出ていました。すっかり失念していたので、購入している「EXE-i新興国株式ファンド」と「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」の運用報告書を改めて確認します(その他のファンドについては公式の特別サイトを直接確認してください)。
SBIアセットマネジメント「EXE-i」シリーズは複数の海外ETFに投資するファンド・オブ・ETFsのパッシブ型ファンドです。純粋なインデックスファンドではありませんが、海外ETFを活用することで低コストなパッシブン運用を可能にしたファンドとして愛用しています。
まず、「EXE-i新興国株式ファンド」の第8期の騰落率は+47.5%でした。参考指標であるFTSE・エマージング・インデックスの騰落率は+47.6%です。「EXE-i」シリーズの各ファンドとも保有するETFのベンチマークと参考指標の指数が若干異なりるため、あくまで参考値ですが、おおむね参考指標に近い成績を確保できました。なお、投資対象ETFは「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」と「SPDRポートフォリオ・新興国株式ETF」です。“コロナ・ショック”後の急激な株価上昇で素晴らしいパフォーマンスでした。
実質コストは以下のようになりました(FoETFsのため信託報酬以外に投資対象ETFの信託報酬がかかります。投資対象ETFのコストは運用報告書の参考情報からとりました)。
「EXE-i新興国株式ファンド」
信託報酬:0.253%
売買委託手数料:0.005%
有価証券取引税:0%
その他(保管、監査)費用:0.012%
合計:0.27%
投資対象ETF信託報酬:0.11%
実質コスト合計:0.38%
前期の実質コスト合計が0.535%でしたから、かなり低下しています。投資対象ETF信託報酬が若干低下したほか、売買委託手数料が大きく減少しています。売買委託手数料は基準価額が下落する局面で相対的に割高になりやすいので、第7期は比較的高水準でした。これが正常化したと言えそうです。
つづいて「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」の第8期の騰落率は+61.5%でした。参考指標であるFTSEグローバルスモール・キャップインデックスの騰落率は+63.4%です。投資対象ETFは「バンガード・スモールキャップETF」と「バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF」です。こちらもおおむね参考指標に近い数字となっています。やはり素晴らしいパフォーマンスの年でした。実質コストは以下のようになっています。
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」
信託報酬:0.253%
売買委託手数料:0.009%
有価証券取引税:0%
その他(保管、監査)費用:0.013%
合計:0.275%
投資対象ETF信託報酬:0.07%程度
実質コスト合計:0.345%
前期の実質コスト合計が0.356%でしたから、ほぼ横ばいです。世界の中小型株に低コストで分散投資できるパッシブファンドは比較的少ないので、依然として「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」は貴重な存在です。私はiDeCoのポートフォリオのスパイスとして愛用しています。
最近はインデックスファンドの低コスト化が一段と進み、「EXE-i」シリーズのコスト面での優位性はやや弱くなっています。しかし、SBI証券のiDeCo(とくにオリジナルプラン)を使っている人にとっては依然として重要な役割を担うファンドです。とくに「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」などは、地味だけれどもキラリと光るファンドでしょう。受益者として、引き続き期待したいと思います。