菅義偉首相が自民党総裁選挙への不出馬を発表しました。任期満了で自民党総裁を退任となれば、同時に首相も辞任することになります。新型コロナウイルス禍という大変な時期に病気で辞任した安倍前首相の残り任期を任された菅首相。いろいろと評価はあるとは思いますが、自分が悪者になることを恐れずに、やるべき仕事を片付けていった異形の政治家として歴史が評価するような気がします。その菅首相の退陣が決まったことで、にわかに後継レースが盛り上がってきました。日本だけでなく外国人投資家も次の自民党総裁=総理大臣がだれになるのかを注目しています。
自民党総裁選には、いまのところ岸田文雄氏、高市早苗氏、河野太郎氏、石破茂氏、野田聖子氏らが立候補すると見られています。今回の総裁選挙は衆議院選直前にタイミングですから、いわば次の“選挙の顔”を選ぶことに。投票権を持つどの自民党議員も自分の議席を左右するわけですから、ガチンコの争いとなりそうです。そんな中、ブルームバーグに次のような記事が出ていました。
日経平均は3万6000円視野か、混乱再来か-ポスト菅時代へ思惑交錯(ブルームバーグ)
なかなか景気のいい記事ですが、それ以上に外国人投資家も今回の総裁選挙の行方を注視しているということが分かり面白いです。なかでも河野太郎氏の評価が高い。記事では次のように書いています。
焦点は今や、近く行われる自民党総裁選に移る。3日には河野太郎行政改革担当相が出馬の意向だと伝わり、この報道を好感した株価上昇もトレーダーは期待している。「外国人投資家は間違いなく河野氏を好む。英語を話し、米国の大学で学んだ。これが大きくプラスに働いている」とCLSA証券のストラテジスト、ニコラス・スミス氏はブルームバーグテレビジョンで発言。「河野氏の時代が来たと思う」と述べた。
なるほど、外国人投資家からすると、そういうふうに見えるのか。確かに河野氏はユニークな政治家ですが、そのユニークさが永田町でどれだけ評価されるか未知数だと思っていたので、「河野氏の時代が来たと思う」とまで言うのがちょっと意外でした。
いずれにしてもトップに立つには、「天の時、地の利、人の和」がすべてそろう必要があります。はたして候補者の中でだれがこの3つをそろえることができるのかが注目です。その上で、個人投資家としては誰がトップに立ったとしても、とにかく「正統派の経済政策」を実行してもらいたいものです。少なくともそれが記事にある「日経平均3万6000円」を実現する大前提だと思います。
ちなみに外国人投資家からは人気ナンバーワンの河野太郎氏ですが、まるで今回の総裁選出馬を予期していたかのようなタイミングで著書を刊行していました。ちょっと気になるので、読んでみようと思います。