auカブコム証券が7月19日から25歳以下の契約者の株式取引手数料を実質無料化します。
25歳以下の契約者の手数料を無料化する動きはSBI証券が口火を切り、松井証券と岡三オンライン証券も後に続いてきましたが、これにauカブコム証券も参入することになります。いよいよ若年層の取り込みに向けて競争が激化しています。
今回の手数料体系改正で25歳以下の契約者は7月19日約定分から現物株式の売買手数料がキャッシュバックされることになり、実質無料となります。これは何度も書いていますが、証券会社は証券取引所に場口銭を支払わなければなりません。売買手数料を無料化すると、この場口銭がすべて証券会社の持ち出しとなります。ですから、取引手数料の無料化というのは非常に太っ腹なサービスなのです。
手数料無料化の狙いは「若年層の資産形成を支援」とありますから、やはりSBI証券や松井証券と同様に若年層の取り込みにあります。証券口座というのはいちど開設してしまうと、なかなか変更されません。口座閉鎖に手間がかかる上に、保有している株式や投資信託を別の証券会社に移管する手続きが面倒だからです(複数の証券口座を使い分けるような人は、一部の投資マニアだけです)。なので、若年層を取り込むことは将来に向けた大きな布石になるのです。
また、店頭営業が主体の大手証券の口座保有者の高齢化が進んでいることも無視できません。現在、日本の株式保有は金額面では依然として高齢者に偏在しているのですが、今後は“大相続時代”が始まります。将来の相続人となる若年層にあらかじめ口座を開いておいてもらえば、相続対象となる株式を移管などで取り込むこともできるでしょう。やはり証券会社にとって若年層の囲い込みは将来に向けた至上命題です。
こうなると、残るネット専業証券も動かざるを得なくなるでしょう。証券会社の低コスト競争は一段と激しくなりますが、これから株式投資を始めようと考えている若い人たちにとっては、最高の環境が整いつつあると言えそうです。
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