サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2020年4月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の4月の騰落率は+9.42%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+8.33%でした。“コロナ・ショック”で暴落した株式相場もここにきて経済活動再開への期待から反発が続いていますが、「iTrust世界株式」はとくにITセクターとヘルスケアセクターに重点的に投資することで参考指数をアウトパフォームしました。
4月は新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化しつつあることや、米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な金融支援策などが好感され株式市場も大幅な上昇基調で推移しました。ロックダウンが続いていた欧米各国も経済活動再開に向けた動きを強めていることも好材料となったようです。
そんな中で「iTrust世界株式」は参考指数を大幅にアウトパフォームする好成績です。成功の要因は銘柄選択でしょう。4月30日段階でのセクター別構成比をみると、1位が情報技術(21.9%)、2位がヘルスケア(16.7%)となっています。個別銘柄で見ても保有上位銘柄にマイクロソフト、アルファベット、アップル、ロシュ、VISA、グラクソ・スミスクライン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アムジェン、ウォルマート、インテルと並び、完全にITセクターとヘルスケアセクターに重点投資する布陣となりました。まさに“ウィズ・コロナ”時代に向けたポートフォリオとなっています。こうした積極的な銘柄選択戦略が今後どうなるか。受益者の1人として大いに期待したいところです。
ただ、市場全体の先行きに関してピクテも決して楽観していません。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」5月号は現在の株式市場を「説得力に欠ける上昇相場」と指摘しました。新型コロナウイルスの感染拡大は今後も第2波、第3波が来る可能性が排除できず、依然として経済活動の大きな障害になっているからです。各国の中央銀行や政府が積極的な景気対策に動いていることが相場を下支えしているのですが、やはりそれでも「市場が景気回復のスピードを過大評価しているように思われる」というのがピクテの見立てです。
このため引き続き選好するのはディフェンシブセクターということになります。なかでもコミュニケーションセクターやヘルスケアセクターはオーバーウエートを推奨しており、やはりこのあたりが“ウィズ・コロナ”時代のポートフォリオの基本となるのでしょう。まだまだシートベルトをしっかりと締めて臨む状況が続くということです。
【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プラン