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2019年4月16日
調整局面入りの可能性が最も高いのは米国株―「iTrust世界株式」の2019年3月の運用成績
サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2019年3月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の3月の騰落率は+0.64%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+0.53%でした。2月に続いて参考指数をアウトパフォームしたことになります。年明けから好調な相場が続いています。ただ、ここにきてピクテは先行きに関して慎重な見方を強めています。とくに先進国の中で調整局面入りの可能性が最も高いのは米国株だと指摘しています。
3月の世界株式市場は、上旬に欧州中央銀行(ECB)が経済成長見通しを引き下げたことや米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回ったこと、中国の輸出減少などを背景に下落したものの、中旬にかけては中国の景気刺激策に対する期待や、米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内利上げ停止を示唆したことなどが好感され上昇に転じました。ところが下旬に入るとドイツの製造業購買担当者景気指数(PMI)の急落や米国の長短金利の逆転などを背景に、世界経済の後退懸 念が再燃し、再び下落しています。
こうした中、ピクテは相場の先行きに関してかなり慎重な見方を強めています。「iTrust」の受益者に配信されるピクテの機関投資家向けレポート「Barometer」2019年4月号によると、景気循環分析によって先進国経済が減速しつつあることが明らかだとか。とくに日本株は企業利益の下方修正懸念が強いことから慎重な姿勢です。一方、新興国はトルコとアルゼンチンを除いては好調。中国が今後、大規模なインフラ投資に踏み切るかも世界経済に大きな影響を与えそうです。
先進国株式の先行きに不安が高まるわけですが、調整局面入りの可能性が最も高いのは米国株式市場だとか。バリュエーション的に割高感が最も際立つことに加え、企業の利益成長率の低下が避けられそうにないからです。これまで世界の株式市場を牽引した米国株ですが、さすがにこのあたりで調整があってもおかしくないということでしょうか。逆にここでも新興国株式を選好。先進国以上に回復力の強い経済成長や抑制されたインフレに加え、ドル安による現地通貨の上昇もありそうです。
年初から小康状態が続いている株式相場ですが、なんとなく先行きに関して不気味な感じがします。こういうときはシートベルトをしっかりと締めて、リスク過剰にならないように気を付けたいところです。
【ご参考】
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