サイト内検索
2018年8月18日
iDeCoが本当に必要な人とは―2018年8月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績
典型的な夏枯れ相場のところに、トルコリラ・ショックも重なってなんとも不安定な市場環境が続いています。とくに新興国株式や新興国債券が冴えません。私がSBI証券で加入している個人型確定拠出年金(iDeCo)でも含み損に転落する資産クラスが出てきました。しかし、こういったときこそ我慢のしどころで、8月も通常通りの買付を行いました。私にとってiDeCoは非常に大切な制度です。そして、世の中には私と同じようにiDeCoという制度を本当に必要としている人が多いはずです。
SBI証券のiDeCoプランで買付けたファンド・商品はいつもの通りです(カッコ内は信託報酬)。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「三井住友・DC外国債券インデックスファンド」(0.21%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.52%)
「EXE-iグローバルREITファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.114%程度)
「あおぞらDC定期」
8月16日段階での累積リターンは13.1%となり、前月から大きく低下しました。新興国株式と新興国債券のインデックスファンドがともに下落していることが理由です。とくに新興国債券は損益評価額がマイナスに転じました。やはりトルコリラ・ショックに象徴されるように、新興国通貨がいずれも下落していることが影響しています。ただ、新興国への投資というのは、ある程度のボラティリティを受け入れる必要があります。逆にこの下落局面でもしっかりと買付を続けることが重要だと考えています。
また先日、SBI証券がラインアップから除外する商品の候補を発表しました(関連記事:SBI証券がiDeCoプランからの除外予定商品を発表―おおむね妥当な判断も一部で意外な点もある程度は)。残念ながら私が積立・保有している「三井住友・DC外国債券インデックスファンド」と「EXE-iグローバルREITファンド」が除外候補に含まれています。仕方ないので頃合いを見て代替商品へ積立商品を変更と保有分のスイッチングをしようと思います。スイッチングで手数料や課税が発生しないのがiDeCoの優れたメリットでしょう。
さて、iDeCoに関してモーニングスターに面白い記事が載っていました。iDeCo加入者が引き続き堅調に増加しているのですが、とくに企業年金の無い第2号被保険者が加入者増加を牽引しているそうです。
iDeCoの6月新規加入者数は約3.35万人、第2号(年金無し)加入者の伸び目立つ(モーニングスター)
これは、さもありなんと思う。なぜなら、そもそもiDeCoという制度は本来、国民年金しかない第1号被保険者と、厚生年金に加入しても3階部分である企業年金を持たない第2号被保険者のためにある制度だからです。記事にもあるように、日本のサラリーマンの大部分は中小企業に勤務していますが、多くの中小企業は企業年金どころか退職金制度すら貧弱なのが現実。そういった中小企業に勤める人が、自助努力で老後資金を用意するためにiDeCoという制度があるわけです。
かくいう私も従業員50人未満の中小零細企業サラリーマン。もちろん企業年金なんかありません。しかも中途入社なので退職金も少ない可能性が高い。同じサラリーマンでも大企業に勤めるサラリーマンとは退職時の境遇が雲泥の差なのです。現役時代の待遇格差は運と能力の結果として諦めますが、その格差が老後にまで持ち込まれてはたまらない。少しでも老後の経済格差を是正するためにiDeCoを活用しているということになります。
モーニングスターの記事を読んで、きっと私と同じような思いでiDeCoに加入している第2号加入者(企業年金無し)が多いのではないかと感じ、なんとなく勇気づけられました。やはりiDeCoが本当に必要な人とは、企業年金がなく、退職金も少ない中小零細企業のサラリーマンなのです。だから、そういった境遇の人で老後資金をしっかり作ろうと考えている人は、ぜひiDeCoという制度について研究して欲しいと思うのです。
【関連記事】
個人型確定拠出年金は格差是正のための制度でもある
【ご参考】
iDeCoは金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なります。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン、マネックス証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン
また、iDeCoは、やや制度が複雑なので解説書を読んで研究するのも良いでしょう。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。