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2018年8月12日
SBI証券がiDeCoプランからの除外予定商品を発表―おおむね妥当な判断も一部で意外な点もある程度は
2018年5月1日施行の「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」により確定拠出年金プランの商品ラインアップは上限35本に制限されます。これを上回る商品数をラインアップしている金融機関は猶予期間である2023年までに商品数を35本以下に削減しなければなりません。私はSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入しているのですが、ラインアップから除外予定の商品が発表されました。
運用方法の選定・提示に関する基準の見直しに伴う除外予定ファンドのご案内(SBI証券)
概ね妥当な判断だと思いますが、一部で意外な点もあります。SBI証券のiDeCoプランに加入している人はよく確認した方が良いでしょう。
今回、除外予定となった商品は以下の通りです。
同一資産カテゴリーで重複しているインデックスファンドの中で信託報酬が割高になっている商品の多くが除外され、ラインアップの中でコスト最安値の商品をしっかりと残している点は受益者の利益を重視している姿勢が見えて好感を持ちましたし、妥当な判断だと思います。また、アクティブファンドの多くが除外された点も、ある意味で仕方ありません。そもそも商品の選択肢に制限があるiDeCoでアクティブファンドを購入するというのは、よほどその商品を選ぶ合理的な理由が必要だからです。
一方、一部でやや意外な印象も受けました。以前にこのブログで「SBI証券のiDeCoプランに残すべき商品はこれだ―2023年までに商品ラインアップを35本以下に削減へ」という記事を書きましたが、そこで恐らくラインアップに残すだろう(残すべき)と思っていた商品のいくつかが除外候補になっているからです。
例えば先進国債券クラスです。「三井住友・DC外国債券インデックスファンド」が除外されるのは、信託報酬が同等の「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」が残るので問題ありませんが、為替ヘッジ付の「インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用)」を除外してしまうのはいかがなものか。為替ヘッジで為替リスクを抑えながら先進国債券に投資するというのは、有利不利は別にしてひとつの立派な投資戦略です。そういう選択肢を残しても良かったのでは。
もうひとつ意外だったのがSBIアセットマネジメントの「EXE-i」シリーズから「EXE‐i先進国債券ファンド」と「EXE₋iグローバルREITファンド」が除外候補となったことでしょう。特に「EXE₋iグローバルREITファンド」はコストこそ最安値ではありませんが、1本で日本を含む先進国のREITに投資できる簡便性は評価できた。そもそもREITはあくまでポートフォリの味付けとして少額だけ購入するケースが多いはず。そのためには、こういった簡便に全世界のREITに投資できる商品を残して欲しかったと思います。
今回の商品除外でSBI証券のiDeCoプランの商品数はちょうど35本となります(ターゲットイヤーファンド3本は1本と計算するため)。しかし、残っている商品を見ても、まだ信託報酬がひと昔前の水準となっている商品(例えば三井住友トラストAMの「DC外国株式インデックスファンド」(信託報酬0.8%)など)がありますから、加入者を混乱させないためにも更なる整理が必要でしょう。アクティブファンドに関しても、もう少し大ナタを振るってもいい。改めて指摘しますが、iDeCoにおいてアクティブファンドはあくまでスパイスとしての役割に止めるべきだからです。
いずれにしてもSBI証券のiDeCoプランに加入している人は、しばらく動向をよくウオッチした方がいいでしょう。除外対象となった商品を保有している場合、2018年5月1日以降購入したとみなされるものについては、除外が決定した段階で現金化されます(「2018年4月30日時点で保有していた数量」を上回る数量は、2018年5月1日以降購入分とみなされる予定)。2018年4月30日時点で保有していた数量を上限として除外後も運用のみを継続することは可能だそうですが、除外が決定した商品の新規購入は停止となります。このため、除外対象の商品を保有している場合は頃合いを見て別の商品へのスイッチングと新規購入設定を変更するのが無難そうです。
逆に、これからSBI証券のiDeCoに加入しようと考えている人にとっては、今回のランアップ整理は良い面もあります。商品選択がよりシンプルになります。加入者の一人としても、引き続きプランのブラッシュアップを続けて欲しいと思います。
【ご参考】
iDeCoは金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なります。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン、マネックス証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン