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2018年8月1日

投資でもっとも恥ずかしい行為は、損をした時にそれを人のせいにすること



投資を始めるに際して、いろいろな人(それは専門家であったり、商業メディアであったり、あるいは個人ブロガーだったりします)の意見を参考にするというのよくあることです。投資というのはどこまでも実践的な営みですから、それを勉強しようとすると、どうしてもそういった方法を取らざるを得ないものだからです。ただ、ひとたび自分が投資すると決め、実際に資金を投じた瞬間、それは徹頭徹尾、自己責任原則が貫徹される世界でもあります。だから個人投資家といえども、ひとたび投資家となった以上は守らなければならない大切な規矩がある。それは、たとえ投資によって損失を被ったとしても、それを他人のせいにしてはいけないということです。投資でもっとも恥ずかしい行為は、損をすることではありません。損をしたときに、それを人のせいにすることです。

最近、米国ではハイテク株やネット関連銘柄が大きく下落し、日本では日銀による金融政策の動向に対する不安などから不安定な相場が続いています。このため予想外の下落に見舞われる個別銘柄や投資信託も出てきたわけですが、そうした動きに対して投資家として情けない行為も散見されるようになりました。例えば私も受益者の1人である「ひふみ投信」が2日連続でチョットばかり下落しだけで、公式tweetに妙なリプライを送りつける人が増えているのが一例です。

株式相場というのは上がるときもあれば下がるときもある。逆に言うと永遠に上がり続けることも下がり続けることもない。だから、値動きがあるのが当たり前であり、場合によっては含み損になったりもします。ただ、問題はそうなったときに、それを人のせいにして、例えばファンドやファンドマネージャーを批判するなどはお門違いも甚だしい。

もし損をしたことに何らかの苦痛を感じているなら、それを人のせいにするのではなく、自分の見る眼の無さを反省するべきでしょう。その銘柄、そのファンドを選んだのは自分自身なのですから。それが自己責任というものです。そして、投資による損を他人のせいにするということは、そういった自己責任を放棄することなのですから、その誠の心の無さを恥じるべきでしょう。

やはり自己反省を繰り返すことによってでしか、投資家としての成長や洗練はありえないのです。なぜなら、他人のせいにしているうちは、自立ができていないということだから。投資家としての成長や洗練は、儲けたからからなされるわけではないはず。それより、いかに自立しているかにかかっている。結局、良い投資家になるということは、自立した市民になるということなのです。

私は日本でも投資がごく普通の行為として広く普及することを望んでいるわけですが、それは言い換えると、日本人が市民として自立し、その上でより良い社会とは何かを考えるような世の中が来て欲しいと思うからにほかなりません。投資はそのための、全てではないけれども、有効なツールだと思っています。だから、もし今、損をしている個人投資家がいたなら、決してそれを人のせいにするのではなく、自分を反省し、誠の心を磨く機会にして欲しいのです。

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