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2018年5月28日
投資を続けるために必要なのは普通の”生活者意識”
インデックス投資に限らず、投資というのは始めることよりも続けることの方が何倍も難しいものです。とくに相場が軟調になってくると、ついつい保有銘柄や保有ファンドを売って、一時的に市場から撤退したくなるのは人情というものでしょう。こういったとき、投資を続けるために必要なものは何でしょうか。なにか特別な情報や理論でしょうか。そうではないと思う。私は、投資を続けるために必要なのは普通の"生活者意識"だと思うのです。
投資を続けることに不安を感じる理由の多くは、将来が予測不可能だからにほかなりません。それは投資対象の将来性が見通せないということです。だから、言い換えると自分が投資している対象の将来性というものにある程度の自信を持つことができれば、それだけ投資の不安も小さくなることになります。それを支えるのが、普通の"生活者意識"です。
どういうことかというと、例えばMSCIコクサイ・インデックスに連動するインデックスファンドやETFを持っていたとしましょう。月報でも運用報告書でもいいから、保有銘柄を御覧なさい。次のような保有上位銘柄が並んでいます(2018年4月末)。
1、アップル
2、マイクロソフト
3、アマゾン
4、フェイスブック
5、JPモルガン・チェース
これら企業名を見てよく考えてみる。金融銘柄であるJPモルガン・チェースは別として、残りの企業のサービスや製品を自分自身で使わない日が1日でもあるでしょうか。私は毎日、ものすごく使っています。多くの人も同様でしょう。
あるいはTOPIXに連動するインデックスファンドやETFの保有銘柄を同じように見てもいい。やはり、保有上位銘柄として次のような企業が並んでいます。
1、トヨタ自動車
2、三菱UFJフィナンシャル・グループ
3、ソフトバンクグループ
4、NTT
5、ソニー
さて、あなたや家族が乗っている、あるいは会社で使っている車のメーカーはどこですか? 使っている銀行は? 携帯電話のキャリアは? 使っているスマートフィンのカメラセンサーは誰が作っているの? やはり、これら企業のサービスや製品をまったく使わない日が1日でもあるでしょうか。
つまり、企業の活動というのは、膨大な実需によって支えられており、その実需こそが企業収益と投資リターンの源泉だということです。株価などは、その陰影にすぎません。そして、そういった実需の存在を発見するのに、特別な情報や理論は必要ありません。ただ必要なのは、普通の生活者意識だけです。
普通の生活者意識さえ持っていれば、自分の投資している企業がどれだけの実需によって支えられているかが分かります。それこそが投資している対象の将来性の最大の根拠になります。だからこそ、普通の生活者意識を磨くことこそが、投資を続けるための支えであり、長期投資にとって必要不可欠な心の持ちようだと言えるのです。