「個人投資家が選ぶ! Fund of the Year 2024」の結果発表・表彰式が1月23日に開催されました。結果をふまえ、今回も感じたことをメモしておきたいと思います。インデックスファンド部門に関しては、昨年指摘したように“既に大勢は決した”状態が一段と鮮明になっています。ただ今回のFOYで興味深かったのはアクティブファンド部門の結果でしょう。あえて言うと、いよいよ“脱カリスマの時代”へと向かう気配を感じます。
今回の「個人投資家が選ぶ! Fund of the Year 2024」のトップ10は以下のようになりました。
【インデックス投資信託部門】
1位 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
2位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
3位 ニッセイ外国株式インデックスファンド<購入・換金手数料なし>
4位 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
5位 たわらノーロード先進国株式
6位 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
7位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)
8位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
9位 ニッセイNASDAQ100インデックスファンド<購入・換金手数料なし>
10位 楽天・全米株式インデックス・ファンド
【アクティブ投資信託部門】
1位 セゾン・グローバルバランスファンド
2位 結い2101
3位 ROBOPROファンド
4位 ひふみ投信
5位 コモンズ30ファンド
6位 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね
7位 SOMPO123 先進国株式
8位 なかの日本成長ファンド
9位 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
10位 ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等柄)<購入・換金手数料なし>
まずインデックス部門から。こちらは3位までが順位も含めて昨年と同じ。とくに「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」については7連覇となっており、圧倒的な支持を集めています。これは昨年のFOYについて書いたのですが、上位を占めた3ファンドは、いずれも「全世界株式」「S&P500」「先進国株式(日本除く)」それぞれの指数に投資するインデックスファンドとして圧倒的な地位を築いています。そもそもインデックスファンドは規模の経済が働く商品のため、どうしても特定のファンドによる独占・寡占になりやすいのですが、その意味で各指数に投資するインデックスファンドとして、この3ファンドの優位という形で、既に大勢が決したと思います。あとは指数そのものの人気によって順位が変動するだけになるのではないでしょうか。
一方、興味深かったのがアクティブファンド部門です。FOYの古豪ともいえる「セゾン・グローバルバランスファンド」が再びトップに立ちました。これはなかなか興味深いポイントがあります。ひとつは、アクティブファンドとはいえ、パッシブ運用をベースとしたファンドだということ。近年、アクティブファンドが指数に対してなかなか勝てない相場が続いていることから、結局はアクティブファンドといえどもパッシブ型のファンドが選好される状況となっていることです。
もうひとつは、いよいよ日本のアクティブファンドでも“脱カリスマの時代”が始まることを予感させました。FOYはこれまで独立系投信会社や直販型投資信託が高い評価を得ていたのですが、それは同時にファンドの創業者などのカリスマの人気に負うところが少なくありませんでした。そんな中、「セゾン・グローバルバランスファンド」を運用するセゾン投信はファンド立ち上げの功労者が会社を去り、一時は受益者の支持が離れるのではと心配されていました。ところが今回のFOYで1位になったことで、カリスマに頼らなくとも組織として受益者に寄り添うことで、支持をつなぎとめることができることを実証しました。これは他の独立系運用会社や直販型投資信託にとって大きなヒントになるはずです。
これはいつも書いていることですが、現在の日本の投資信託が置かれている状況や今後の可能性に関してFOYは多くの示唆を与えてくれます。ぜひ投資信託業界もこの結果を良く分析し、今後の運営に生かして欲しいと思います。そうすることによって日本の投資信託業界はもっともっと良くなっていくでしょう。
最後に、今回も手弁当でFOYの運営を担った運営委員会の皆さんに、心から「ご苦労様」と言いたいと思います。
