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2024年8月5日

今年の夏はリネンスーツに挑戦してみた

 

7月中旬から暑さが本格的になり、8月に入ってからは猛暑を超えて酷暑が続いています。さすがに最近は通勤スタイルも上着無しの腕まくりか、半袖シャツになっているのですが、7月初までは頑張ってスーツやジャケパンスタイルで通勤していました。とくに今年の夏はリネンスーツに挑戦。というのも、なかなか快適で取り扱いも便利なリネンスーツを見つけたからです。

夏のスタイリングといえばリネンが定番。私もリネンを使った服は大好きです。その中でもとくに上級者に好まれているのがリネンスーツ。ただ、最近ではリネンスーツを手に入れるのが難しくなっています。そもそも夏にスーツを着る人が激減している上に、リネンはシワになりやすく、スーツとしては取り扱いが難しい。おまけに高級素材でもあるので価格も高くなりがちです。そうなると、よほどのお洒落上級者しか買わないニッチ商品ということになり、アパレルもあまり企画しなくなり、店頭で見かけることがほとんどなくなりました。

そんな中、たまたま紳士服郊外店「はるやま」をのぞいたところ、ちょっと面白いリネンスーツを見つけました。尾州産地で織った生地が使われているのですが、リネン100%ではなく、リネン36%・ポリエステル46%・ポリエステル系複合繊維18%混。合繊混ですがしっかりとリネンのタッチが残っており、非常に涼やか。それでいてポリエステル混のためシワになりにくく、非常に扱いや容易そすうに感じました。

とくに面白いと思ったのは、ポリエステル系複合繊維である帝人の「ソロテックス」という糸を複合していることです。一般的なポリエステル繊維は、正式にはポリエチレンテレフタレート(PET)という樹脂から作られますが、ソロテックスは少し組成の違うポリトリメチレンテレフタレート(PTT)という樹脂が原料です。このためPETとは異なるソフトな風合いと、ストレッチ性・形態回復性があります。これが天然繊維と複合するのに非常に相性が良い。とくにリネンやラミーといった麻と組み合わせると、麻の風合いを生かしながら、シワになりにくく、適度なストレッチ性も付与できるわけです。

非常に面白い生地が使われていると思い、これなら気軽にリネンスーツに挑戦できるのではと感じました。それで値段を見ると、ちょうどセール中で、対象スーツが半額になるという無茶苦茶な割引をしていました。このリネンスーツもセール対象で、プロパー価格5万円台が半額で2万円台です。これはお得だということで試しに1着、ブラウンのものを購入してみました。

これが大当たり。着てみると涼やかな麻のタッチと吸放湿性を残しながら、ポリエステル繊維の効果であまりシワが入らない。しかもPTTが含まれているため、一般的なポリエステル混のような嫌なギラつきもなく、非常にソフトで上品な風合いになっています。適度なストレッチ性もあるので着心地にも優れます。個人的に麻・PTT混というのは、非常にに優れた組み合わせだと思います。

あまりに気に入ってしまい、セール中に色違いでネイビーのものも追加で購入してしましました。なにしろ半額セールですから、2着買っても1着分の価格です。そして色違いで2着あればローテーションで着まわすことができます。実際、7月初めまで大活躍してくれました。

さすがに現在はリネンといえどもスーツを着るには暑すぎるので、しばらくはお役御免となっていますが、これから秋に向かうようになれば、また着たいと思います。リネンは夏だけでなく、残暑が厳しい初秋にも活躍してくれる素材ですから、こういう気軽に着ることのできるリネンスーツがワードローブにあると、スタイリングの楽しみがさらに広がるのでした。

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