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2023年2月21日

まだ傘は必要―「iTrust世界株式」の2023年1月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2023年1月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の1月の騰落率は+4.76%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+3.94%でした。ここのところ好調な運用が続いており、参考指数をアウトパフォームすることが増えています。このため直近6カ月間の騰落率でも「iTrust世界株式」が+1.37%に対して参考指数は-0.57%。依然として厳しい市場環境ですが、この調子で頑張って欲しいものです。

1月の株式市場は、月前半に米国の経済統計が予想を下回ったことなどで利上げペースの鈍化期待が高まったこともあり上昇基調で推移しました。中国がゼロコロナ政策を撤回し、経済活動を再開していることも好材料となっています。業種別では、一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、情報技術などが大きく上昇する、ヘルスケア、公益事業などが下落しています。

ようやく市場にも薄日が差してきた感じがあるのですが、ピクテは引き続き厳しい見方を継続しています。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」2月号によると、中国の経済再開が予想以上のスピードで進んでいる一方、欧米の企業の収益が依然として低調なことから株式に対するアンダーウェイト推奨を継続しました。現在の状況は「世界経済に薄日差すもまだ傘は必要」とのことで、なかなか上手い言い方です。

もうひとう面白い指摘だと思ったのが、グロース株への見方です。2022年は金利上昇の影響でグロース株が低調だったのですが、それによってバリュエーションが妥当な水準に修正されました。とくにSNSやメッセージアプリなど双方向メディアに投資妙味が増しているとのこと。このためコミュニケーシ ョン・サービス・セクターの 投資判断をニュートラルからオーバーウェイトに引き上げています。コミュニケーション・サービス・セクターのサブセクターにはディフェンシブな特性がある通信セクターが含まれており、経済活動が停滞した場合の防衛策にもなり得るという指摘には同意します。

こうしたことを考えると、2023年は市場のキャラクターが地域とセクターいずれでも大きく変化するのかもしれません。注視していきたいと思います。

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