サテライトポートフォリオで少額ですが積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の第6期運用報告書(全体版)(2021年4月13日~2022年4月11日)が出ていたので読んでいきたいと思います。ファンドの騰落率は+12.0%、参考指数であるMSCIワールド指数(ネット配当込み)の騰落率は+19.2%でした。分配金は見送りです。上昇したものの、参考指数を大きくアンダーパフォームしており、いまいちの結果に終わりました。
期中の基準価額と参考指数の推移を見てみると、すべての月で参考指数をアンダーパフォームしており、非常に運用に苦戦した1年だったことが分かります。とくに21年9月以降は参考指数から大きく引き離される展開が多かったです。ちょうどそのころから新型コロナウイルスのデルタ変異株の流行や中国の不動産デフォルト懸念などもあって市場のキャラクターが変わりつつあったのですが、そうした変化にうまく対応できなかったのかもしれません。
期首と期末の組入上位10銘柄の変化を見ると、マイクロソフト、アルファベット、アップルの上位3銘柄は不変ですが、新たにAmazonが4位に入り、ドイツの公益銘柄であるRWEの名前もあります。一方でシンガポールの銀行であるDBSなどの名前が上位から消えました。ここにきて世界的なインフレ高進と、米国の利上げによるドル高が進行しているのですが、そのあたりを見据えたポートフォリオの組み換えが進められています。今後、どういった結果が出るのか注視したいと思います。
純資産残高は49億1100万円(前期は33億7100万円)、マザーファンドの純資産残高は191億6300万円(同144億3700万円)でした。こちらは株価上昇分も含めて順調に増加しています。費用明細上の実質コストは以下のようになりました。
信託報酬:0.976%
売買委託手数料:0.018%
有価証券取引税:0.015%
その他(保管・監査・その他)費用:0.065%
実質コスト合計:1.074%
前期の実質コストが1.111%でしたから、若干のコストダウンとなります。売買高比率は0.71となり、こちらも前期の0.83から若干低下しています。前期に続いて比較的落ち着いた運用となったことが分かります。
第6期は参考指数を大きくアンダーパフォームする残念な結果となりましたが、今後の巻き返しを期待したいと思います。また、「iTrust」シリーズは受益者専用サイト「iInfo」を通じて機関投資家向けレポートやデータ集を配信してくれるなど充実した情報発信も魅力。こちらも引き続き楽しみにしたいと思います。