積立投資のコア商品として愛用している「世界経済インデックスファンド」の第13期(2021年1月21日~2022年1月20日)運用報告書が出ました。2021年は欧米を中心に新型コロナウイルス禍からの経済正常化が進められたこともあり、先進国株式が圧倒的なパフォーマンスを叩き出し年だったことが分かります。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの「世界経済インデックスファンド」は、1本で世界の株式と債券に50:50の比率で投資できるバランス型インデックスファンドです。株式と債券はそれぞれ先進国と新興国のGDP比率を参考に配分され、新興国も含めた"世界経済全体の成長"を享受することを狙うコンセプトが非常に面白く、根強いファンがいます。私自身も積立投資のコア商品としてかなりの金額を保有しています。
第13期運用報告書によると、当期の騰落率は+9.4%、分配金は見送りとなりました。国内債券以外の資産カテゴリーはすべて上昇という嬉しい結果です。月別でも1月以外はすべて上昇しており、2021年がいかに好調な相場だったのかということがよく分かります。マザーファンドベースのアセットクラスごとの騰落率は以下のようになっています。
国内債券インデックス -0.3%
国内株式インデックス +7.0%
先進国債券インデックス +2.5%
先進国株式インデックス +28.5%
新興国債券インデックス +1.4%
新興国株式インデックス +1.2%
21年は先進国株式が圧倒的なパフォーマンスとなりました。やはり大部分を占める米国の株価好調が牽引した形です。一方、20年は+15%となっていた新興国株式は+1.2%にとどまりました。また、国内株式が+7.0%と悪くない数字となっていることも印象的です。いずれにしても前年とはまるで結果が変わっているわけですから、このように幅広い資産カテゴリーに分散することの効果が今回も顕著に出ていると言えそうです。
期末段階での純資産座高は1285億円(前期末は828億円)となり、1000億円台に突入です。引き続き順調な資金流入が続いていることをうかがわせます。費用明細上の実質コストについても確認しておきます。以下のようになりました。
信託報酬 0.55%
売買委託手数料 0.004%
有価証券取引税 0.002%
その他(保管、監査)費用 0.054%
実質コスト合計 0.61%
前期の実質コストが0.615%でしたから、若干低下しています。最近は低コストなインデックスファンドが増えたことでやや割高感がありますが、類似の資産配分コンセプトのファンドがあまりないことを考えると、これでも比較的低廉なレベルにあるとも言っていいでしょう。
最近は株式と債券の組み合わせによるバランス型インデックスファンドへの注目度はいまひとつですが、やはり債券と株式の組み合わせというのは分散投資における王道です。実際に基準価額の動きも株式100%のファンドより穏やか。ある程度のリスクを抑えながら運用したい個人投資家にとっては、引き続き安心して保有できるファンドと言えるでしょう。
最近は大手運用会社が相次いで既存ファンドの信託報酬を見直し、引き下げる動きが出ています。三井住友トラストAMもぜひこの動きに加わってもらいたい。信託報酬をもう少し下げることができれば、「世界経済インデックスファンド」は、依然として三井住友トラストAMの看板ファンドになるポテンシャルを秘めていると思うからです。