サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2021年9月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の9月の騰落率は-2.37%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-1.84%でした。参考指数を大幅にアンダーパフォームしてしましました。いろいろと目論見違いも多いようで冴えない成績が続いています。とくに政治要因はなかなか予測不可能な点が多いわけです。そんな中、海外の投資家が日本株の見直しに動いているようで、岸田首相の経済政策に期待しているようです。
9月の世界株式は中国・恒大集団のデフォルト懸念や世界的なインフレ圧力の高まりなどから下落基調で推移しました。業種別では、エネルギーが上昇した一方、それ以外の業種は下落しています。とくに素材、情報技術、公益、コミュニケーション・サービスなどの下落率が大きくなりました。
今後も引き続き不安定なマーケット環境が続きそうな予感です。「iTrust」シリーズの受益者に配信する機関投資家向けレポート「Barometer」10月号は「インフレ高進と金融政策の転換」と題して各国の中央銀行の政策判断への警戒を強めています。このため「投資判断をアンダーウェイトに引き下げ、キャッシュをオーバーウェイトに引き上げました」とあるように、ピクテも慎重な姿勢を明確にしています。
基本的にディフェンシブな投資判断が基調となっていますが、地域別では唯一、日本株の投資判断を従来のアンダーウエートからオーバーウエートに引き上げているのが興味深いです。ピクテは次のように書いています。
日本株について、ファンダメンタルズに対する見方は先月から大きく変わりません。特に世界的なサプライチェーンの問題など製造過程で苦戦を強いられている企業が多く、景気先行指数が悪化しています。一方、政権が交代し、岸田新首相が就任したことで、投資家は経済政策の進展に期待しています。ここには、アベノミクスの経済政策に類似する景気浮揚策も含まれます。
おそらく、これが海外の投資家の見方なのでしょう。逆に言うと、岸田首相が積極的な経済政策を執らない限り、日本株に対する海外の投資家の視線は極めて厳しくなるということが示唆されています。日本は現在、衆議院選挙の真っ最中ですが、ぜひ経済政策の面で活発な議論をしてもらいたいものです。同時に、有権者としては“トンデモ経済政策”を唱えるような候補者に投票してはいけないということも改めて感じたのでした。
【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プラン 、auカブコム証券確定拠出年金プラン
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