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2018年10月17日
「eMAXIS Slim」シリーズにMSCI ACWIをベンチマークとするインデックスファンドが登場―国際分散投資のひとつの完成形
三菱UFJ国際投信の超低コストインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」にMSCIオール・カントーリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)をベンチマークとするファンドが2018年10月31日付で登場します。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の設定について(三菱UFJ国際投信)
これ1本で日本を含めた全世界の主要株式に時価総額加重平均の資産配分で投資できることになりますから、国際分散投資のひとつの完成形ともいえる商品です。しかも信託報酬は年0.142%(税抜き)という驚異的な低コスト。とくに「つみたてNISA」などリバランスが難しい非課税口座で購入するのに最適な商品となる可能性があります。
MSCI ACWIは日本を含む先進国24カ国と新興国21カ国の計45カ国の株式で構成するインデックスであり、各国の大型・中型株の時価総額上位約85%をカバーしています。いわばこれ1本を保有することで世界の株式市場全体に投資できるファンドです。世界的にはメジャーな株式インデックスですが、日本ではこれをベンチマークすとするインデックスファンドやETFが非常に少なく、いまのところ目立った商品としてはステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの「全世界株式インデックス・ファンド」(信託報酬0.48%)ぐらいしか見当たりません。
日本での商品化が遅れていた理由のひとつが、日本株への投資を担うMSCIジャパン指数連動のマザーファンドがあまりなかったことが理由だといわれています。日本株に投資するファンドは、どうしてもTOPIXや日経225といった国内でメジャーな指数をベンチマークとするものが主流だったからです。ところが今回、三菱UFJ国際投信はMSCIジャパンをベンチマークとするマザーファンドを新規に立ち上げてまで「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の新規設定に踏み切りました。そこには並々ならぬ意欲を感じます。
全世界株式インデックスファンドは、とくに「つみたてNISA」のように非課税口座内でのリバランスが難しい(リバランスのための売買で非課税投資枠を消費してしまうため)口座で国際分散投資を行うのに最適な商品です。なかでもMSCI ACWIは全世界株式インデックスとしては最もオーソドックスな指数ですから、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は非常に有力な選択肢となるでしょう。また、通常の課税口座を使う場合も、できるだけポートフォリオをシンプルにしたい人は、これ1本と国内債券インデックスファンドあるいは現預金だけで資産運用を完結させるといった使い方も可能です。その意味でもインデックスファンドによる国際分散投資の完成形といえるでしょう。
これまでMSCI ACWIに投資しようとすれば、海外ETFなどを使うしかなったことを考えると、簡便に積立投資ができ、しかも極めて低コストな国内の投資信託として登場した意義も大きい。期待の新商品でしょうし、実際に人気が出るのでは。今後の動向から目が離せないファンドが登場しました(ただし、設定直後のファンドは運用が不安定になりやすいため、心配な人は初年度決算が出るまで様子を見るというのも立派な見識です)。