サテライトポートフォリオで少しだけ積み立て投資している「ひふみ投信」の2018年7月次運用報告が出ましたので定例ウオッチです。2018年7月の「ひふみ投信」の騰落率は-1.5%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+1.3%となり、参考指数を大幅にアンダーパフォームしています。純資産残高は7月31日段階で1445億円(前月は1456億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は7843億円(前月は7738億円)となりました。6月まで堅調なパフォーマンスが続いていましたが、ここにきてやや変調の兆しかもしれません。とくに「ひふみ」が得意とする中小型株の動きに不安定さが増していることが気になるところです。
7月の株式相場は中国株の大幅下落や米中貿易摩擦への懸念などに日本市場も敏感に反応して軟調なスタートとなりましたが、月後半は悪材料出尽くし感もあって値を戻し、最終的には日経平均株価もTOPIXも小幅続伸で終えています。しかし、中小型株や新興市場は大きく下落する局面が続き、現在も勢いを欠いたまま。「ひふみ」は現在でも中小型株のウエートが50%を超えています。このため参考指数であるTOPIXを大幅にアウトパフォームすることになったと言えそうです。
ここにきて中小型株市場には変調の兆しがあるのですが、こうした状況に対して最高運用責任者である藤野英人さんもかなりの危機感を持っていることが月次運用報告書からもうかがえ、「短期的には日本の株式市場ははっきりとした動きが見えずに不透明な市場環境が続きそうです」と指摘しています。ただ一方で、現在の状況を前向きにも捉えており、次のように書いていました。
私たちは短期的な業績のトレンドには一喜一憂せずに長期的に成長できる会社に投資しています。むしろ今はそのような会社に安く投資できるチャンスであると考えています。また、引き続き海外株に関する調査も強化するとのこと。中小型株の市況が不透明になる中、米国株を中心とした海外株式への投資はますます重要になるのかもしれません。いずれにしても、優れたアクティブファンドといえども投資において百戦百勝はあり得ませんから、これからしばらくは受益者も我慢のしどころなのかもれません。私も受益者の1人としてじっくりとウオッチしていきたいと思います。
さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回は光ファイバー・ケーブル敷設や携帯電話基地局工事など通信インフラ事業を中核とする協和エクシオ(1951)でした。IoTの普及や5G回線への移行などを背景に今後の飛躍が期待できるとのことです。こういった裏方的な事業を得意とする企業への投資というのは、いかにも「ひふみ」らしい銘柄選択に思えます。
【ご参考】
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