サテライトポートフォリオの一部として保有している「ひふみ投信」の2017年9月次運用報告書がでたので定例ウオッチです。「ひふみ投信」の9月の騰落率は+3.5%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は4.3%でした。久しぶりに参考指数を大きくアンダーパフォームしています。純資産残高は9月29日段階で868.7億円(前月は802.2億円)、受益権総口数は19,078,850,139口(前月は18,227,304,515口)でした。ひふみマザーファンドの純資産残高も3876.5億円(前月は3418.8億円)となり、こちらは引き続き順調な資金流入が続いています。
9月は前半こそ北朝鮮問題など地政学リスクの顕在化で軟調な相場が続きましたが、おかしなもので株式市場のプレイヤーもすっかり"ミサイル慣れ"してしまったのか、後半は一気に好調な地合いとなり、日経平均も2万円をこえる水準で推移しています。そんな中で衆議院の解散が決まりました。選挙というのは意外と大きなイベントであり、相場のキャラクターも大きく変わりつつあります。この点に関して「ひふみ投信」の藤野英人さんは、以下の2点を示唆していると指摘します。
1)少なくとも選挙が終わるまでは米国からの先制攻撃はない→選挙中は安心して株式投資ができる(リスクオン)つまり、これまで相場をリードしてい来た中小型株に変わって、大型株への巻き戻しが起こる可能性があるのです。これは中小型株の保有ウエートが高い「ひふみ投信」にとっては不利な展開となります。
2)リスクオンということは、円安・株高の傾向を示す→日本の大型株には有利
このため対策として衆議院解散発表前は15%近くあった現金保有率を7%程度まで落とし、その資金で大型株を組み入れています。組入れ上位銘柄を見ると、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)、NTTドコモ(9437)、トヨタ自動車(7203)、新日鐵住金(5401)などが登場しました。こうした機動的なオートフォリオの組み換えによって、9月はTOPIXに対して負けを最小限に抑えたことになります。今後も大型株の巻き戻しが続くようなら、しばらくは参考指数に対して"負けを少なくする"ための戦略をとることになりそうです。この点に関しては「ひふみアカデミー」でも藤野さんが直接語っています。
こうした戦略がどのように作用するのか注目していきたいと思います。
さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回は、鳥貴族(3193)でした。これは説明不要でしょう。私もたまに行きますよ。「ひふみ投信」は、鳥貴族がコスト削減のために従業員を犠牲にしていない点を評価しているようですが、この観点は鋭い。安さで勝負しているだけでなく、最近では値上げに踏み切るなど単なるデフレ型企業でないところを見せています。今後、日本は人手不足がますますひどくなるでしょうから、コスト削減を従業員にシワ寄せするような企業は、まず生き残れないでしょう。
【ご参考】
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また、ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する確定拠出年金専用ファンド「ひふみ年金」がSBI証券とイオン銀行の個人型確定拠出年金(iDeCo)プランでラインアップされています。SBI証券とイオン銀行のiDeCoはともに運営管理手数料が無料であり、低コストインデックスファンドをそろえた商品ラインアップも素晴らしく、iDeCoの選択肢として最有力です。こちらもネットから無料で簡単に資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン