2016年11月12日

あいかわらず苦戦が続く―iTrust世界株式の2016年10月の運用成績



ピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド、iTrust世界株式の2016年10月次運用レポートが出ました。iTrust世界株式の10月の騰落率は+1.46%、参考指数であるMSCIワールド・インデックスの騰落率は+2.04%でしたから、10月もインデックスに対してアンダーパフォームしてしましました。あいかわらず苦戦が続いており、なかなかエンジンがかかってきません。ただ、アクティブファンドへの投資というのはある程度は受益者が我慢して保有を続けることが必要ともいえます。引き続き我慢の展開が続きそうです。
2016年11月11日

やっぱり”リバランス”は大切だよ



株式と債券、国内と海外といった異なる値動きをする資産でポートフォリオを組む国際分散投資を行う場合、必ず実行しなければならないのが定期的に各資産のウエートを目標とする配分に調整するリバランスです。なぜリバランスが必要かというと、ポートフォリオの資産配分が崩れることで最初に想定したリスク・リターン量から逸脱するのを防ぐためなのですが、もうひとつはリターンが向上するという“リバランス・ボーナス”効果を狙うということがあります。この点で非常に興味深いシミュレーション結果が出ました。

リバランスで9%も成績アップ 投信の分散投資(NIKKEI STYLE)

なんとリバランスを定期的に行ったポートフォリオは、リバランスを一切行わなかったポートフォリオと比べて過去10年リターンが9%も上回るケースがあったとか。あくまでの過去のデータに基づくシミュレーションですから、確実にリバランス・ボーナスが発生することを証明するものではありませんが、やはり国際分散投資においてリバランスは大切だという思いを強くさせるのに十分な結果です。
2016年11月10日

保守的なレトリックで中道の経済政策を語る―何がトランプ大統領を可能にしたのか



注目の米大統領選挙は、事前の予想を覆してドナルド・トランプ氏が当選しました。文字通り“トランプ・ショック”となったわけで、9日の日経平均株価は一時1000円を超える下落に見舞われました。だから言ったでしょ、選挙は箱を開けるまでわからんと。ただ、相場のことよりも気になったのは、なぜメディアがあれほど叩き、多くの有識者も批判したトランプ氏が当選したのかということです。グローバリズムやエリート層に対する庶民の反発といった説明がなされ、あたかもトランプ氏が反動的候補のように記述されることが多いわけですが、それは浅い見方だと思う。なぜなら、そもそもトランプ氏が保守派だと思っている人は、事態の本質を根本的に見誤っていると思えるからです。
2016年11月9日

“ガテン系オヤジ銘柄”を大いに組み込む―ひふみ投信の2016年10月の運用成績



ひふみ投信の2016年10月次運用報告書が出たので読んでいきたいと思います。2016年10月の運用成績は騰落率が+4.0%でした。参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+5.3%でしたから、10月は指数をアンダーパフォームしました。10月は米国の銀行の決算が好調だったことから日本も証券・商品先物取引業銘柄などが大きく上昇しましたが、ひふみ投信があまり関心を示していない銘柄だったことがインデックスを下回った要因といえそうです。10月31日段階での純資産残高は345.6億円(前月は331.4億円)、受益権総口数は10,047,502.809口(前月は10,019,267,515口)となりました。引き続き順調に受益権口数が伸びており、安定した資金流入が続いていることをうかがわせます。そして、10月次運用報告書を読んで最も驚いたのは、組入れ上位比率銘柄でした。本当に“ガテン系オヤジ銘柄”を大いに組み込んできました。
2016年11月8日

“予想”して投資するのは好きじゃない―米大統領選直前の投資戦略



いよいよ米国では大統領選挙の投票日です。事前調査ではヒラリー・クリントン氏が若干優位との報道が多いですが、6月のBrexitショックの例もあるので、あまり楽観できません。選挙は、箱を開けるまで分からんのです。だから、ドナルド・トランプ氏の逆転も大いにあり得る。トランプ氏が当選した場合、株式相場は“トランプ・ショック”に見舞われる可能性もあるわけですから、私のような弱小個人投資家も、なんだか身構えてしまいます。こうしたイベントを前にしての投資行動は、どうするべきなのでしょうか。
2016年11月7日

<購入・換金手数料なし>と「たわらノーロード」の“仁義なき戦い”が勃発か?



すでに多くのインデックス投資ブロガーさんが報告していますが、ニッセイアセットマネジメントが11月21日に<購入・換金手数料なし>シリーズとして「ニッセイ日経平均インデックスファンド」を新規設定します。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの設定について(ニッセイアセットマネジメント)

信託報酬(税抜)は驚きの0.18%。これは、アセットマネジメントOneの「たわらノーロード日経225」の信託報酬(税抜)0.195%や大和証券投資信託委託の「iFree日経225インデックス」と三井住友トラスト・アセットマネジメントの「日経225インデックスe」の信託報酬(税抜)0.19%を下回り、業界最安値となります。しかもベンチマークは配当込み指数である日経平均トータル・リターン・インデックスというのもマニアの心をくすぐる。なにより、すでに発表している<購入・換金手数料なし>シリーズ7ファンドの信託報酬引き下げと合わせて、競合商品に対してコスト面で徹底的に叩くという姿勢に戦慄を覚えたほどです。ところが、そう思っていたとこに、Twitterを通じて新たな情報が。どうも、アセットマネジメントOneが「たわらノーロード」シリーズの信託報酬引き下げを検討しているとか。これにも戦慄を覚えます。もしこれが事実なら、<購入・換金手数料なし>シリーズと「たわらノーロード」シリーズの間で“仁義なき戦い”が勃発するかもしれないからです。私の頭の中で、あのテーマ曲が流れています。

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