2016年11月7日

<購入・換金手数料なし>と「たわらノーロード」の“仁義なき戦い”が勃発か?



すでに多くのインデックス投資ブロガーさんが報告していますが、ニッセイアセットマネジメントが11月21日に<購入・換金手数料なし>シリーズとして「ニッセイ日経平均インデックスファンド」を新規設定します。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの設定について(ニッセイアセットマネジメント)

信託報酬(税抜)は驚きの0.18%。これは、アセットマネジメントOneの「たわらノーロード日経225」の信託報酬(税抜)0.195%や大和証券投資信託委託の「iFree日経225インデックス」と三井住友トラスト・アセットマネジメントの「日経225インデックスe」の信託報酬(税抜)0.19%を下回り、業界最安値となります。しかもベンチマークは配当込み指数である日経平均トータル・リターン・インデックスというのもマニアの心をくすぐる。なにより、すでに発表している<購入・換金手数料なし>シリーズ7ファンドの信託報酬引き下げと合わせて、競合商品に対してコスト面で徹底的に叩くという姿勢に戦慄を覚えたほどです。ところが、そう思っていたとこに、Twitterを通じて新たな情報が。どうも、アセットマネジメントOneが「たわらノーロード」シリーズの信託報酬引き下げを検討しているとか。これにも戦慄を覚えます。もしこれが事実なら、<購入・換金手数料なし>シリーズと「たわらノーロード」シリーズの間で“仁義なき戦い”が勃発するかもしれないからです。私の頭の中で、あのテーマ曲が流れています。

今回のニッセイAMの動きになぜ戦慄を覚えたのかというと、そもそもニッセイAMには「ニッセイ日経225インデックスファンド」(信託報酬<税抜>0.25%)という純資産残高1000億円超の人気低コスト商品があるからです。にもかかわらず新たに日経平均株価に投資する“超低コスト”商品を新規設定しました。これが何を意味するのかというと、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、他の<購入・換金手数料なし>シリーズ商品同様に販売会社を絞り込むことで、いざとなればさらに信託報酬を引き下げて業界最低コストのファンドの座を確保しようとするニッセイAMの戦略が透けて見えるからです(逆に「ニッセイ日経225インデックスファンド」は販売会社が多いので、彼らの協力がないと信託報酬を引き下げることができない可能性が高い)。

このあたりの戦略についてはWATANKOさんが見事な分析を披露しています。

(続)ニッセイ、信託報酬最安値の座 2016(資産運用でスーパーカーを手に入れよう!)

私もこの見方に同意します。まさにWATANKOが指摘するように「ニッセイは自社のどの商品が勝とうがかまわない。ニッセイが勝ちさえすれば良いと考えたか」というところに戦慄を覚えました。手段を択ばないニッセイAMの姿勢は驚異的です。本当にニッセイAMがこういった戦略を粛々と実行した場合、おそらくインデックスファンドの分野で覇権を握るのは間違いないと確信したほどです。

ところがその後、Twitterを通じてさらに驚くべき情報がもたらされました。「日経ヴェリタス」2016年11月6日号の記事で、アセットマネジメントOneが「たわらノーロード」シリーズの信託報酬引き下げを検討していると報じたというのです。

これが本当なら、とんでもないことになる可能性がある。両シリーズが、とことん低コスト化でガチンコ勝負することになるからです。両シリーズともインデックスファンドの分野では最低コストの地位に就かなければ覇権は握れない、すなわち新たな資金流入が見込めないと腹をくくった可能性があるのです。そうなると、どちらも手段を選ばぬ低コスト化を推し進めるしかなく、採算ギリギリまでコストを引き下げてくる可能性がある。その水準がどの程度のものなのかはわかりませんが、本当に「ETFの運用コストに追いつく」ところまでくれば凄いことです。まさに“仁義なき戦い”の始まりです。

まさにインデックスファンドの低コスト競争は最終局面に入ったとの感を強くしました。ニッセイAMとアセットマネジメントOneがどこまでやるのか本当に興味が尽きません。そして、両社の戦いに対して、「iFree」の大和証券投資信託委託がどう対抗のか。あるいは「三井住友・DC」シリーズを擁する三井住友アセットマネジメントは動くのか。はたまた古豪、「SMT」の三井住友トラスト・アセットマネジメントや「eMAXIS」の三菱UFJ国際投信はどうするのか。それこそ第三、第四勢力が入り乱れての“仁義なき戦い”を期待してしまいます。

運用会社にとっては大変な時代になったわけですが、じつは“仁義なき戦い”の最終的な勝者は決まっているともいえます。それは、私たち個人投資家です。そうやって投資環境が一段と豊かなものになっていくことを実感させる出来事です。やっと、個人投資家が金融機関に“勝つ”時代が来たのかもしれません。まるで映画の金子信雄演じる山守組長のように。

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