サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2022年10月次運用報告書が出ていたので定例ウオッチです。10月の騰落率は+3.8%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+5.1%でした。純資産残高は10月31日段階で1411億円(前月は1356億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は7017億円(前月は6756億円)となりました。前月まで2カ月連続で参考指数を上回っていましたが、10月は残念ながらアンダーパフォームです。ただ、現在の不安定な市場環境の下で、この状況はある程度は想定済のようです。いまは市況が改善するまでの雌伏の時かもしれません。
10月は世界的な金利上昇を背景に株式市場も低調にスタートしましたが、徐々に金融引き締めがピークアウトするとの見通しが出始めたこともあり、株式市場も月後半からは底堅く推移し、最終的には上昇して終わりました。
「ひふみ投信」の基準価額も上昇したのですが、参考指数には追い付いていません。この点に関して佐々木靖人ファンドマネージャーは「基本方針は変更なく、『相場の下げではブレーキを踏み、上げではそれなりについて行く』であり、そのような結果になったと考えています」と述べています。たしかに前月は参考指数が大幅な下げとなる中で、「ひふみ投信」の下げは小さく収まりました。先行き不透明な市場環境の中、いまのところ防御的な運用が続けられており、それは一定の成果を上げていると言えそうです。
では、今後の運用方針はどうなるのでしょうか。現在の金融引き締めでインフレ抑制が成功するとしても、それは景気後退となる可能性あるからです。これに関して佐々木FMは「金利上昇ペースが鈍化する恩恵を受けるセクターや銘柄へ投資するが、円高になる可能性を考慮し、円安→円高で恩恵があるセクターや銘柄を特に選好」「景気減速か後退が起きることを見越し、その影響の少ないセクターや銘柄へ投資。従来から変わらず、地味で地道に成長する内需系企業が中心。特に中小型株」とまとめています。
こうした戦略が上手くいくのかは未知数ですが、ここにきて佐々木FMの方針が明確に語られだしたことに注目しています。運用体制が一新されて以降、しばらく見られた“迷い”のようなものがなくなってきたからです。ようやく、自分の色を出した運用戦略が具体化しつつあるように思います。今後の市場環境回復に向けて、いまは雌伏の時ということでしょうか。いずれにしても受益者として期待して見守っていきたいと思います。
【ご参考】
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