サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2022年4月次運用報告が出ました。「iTrust世界株式」の4月の騰落率は-4.25%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-4.43%でした。4月は参考指数をなんとかアウトパフォームしました。世界的に株式市場の下落が続いていますが、ここにきてようやく底入れする可能性があるとピクテは指摘しています。
4月は、米国の利上げ実施やウクライナ情勢への懸念、さらには上海のロックダウン長期化による中国経済悪化への懸念高まりなど悪材料もあって株式市場は大幅な下落となりました。業種別では、コミュニケーション・サービス、情報技術、一般消費財・サービスなどが大きく下落しました。一方、生活必需品は上昇し、公益やエネルギーなどは相対的に小幅な下落にとどまっています。
依然として厳しい相場が続いていますが、「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」5月号によると、ここにきて相場に底入れの可能性も高まってきたようです。「すでに投資家心理が大きく弱気に傾いており、現況の株式市場のもう一段の下落余地は縮小している」とのこと。ある意味、悪材料に出尽くし感が醸成されつつあるということでしょう。
地域別で見ると、やはり米国の景況が底堅いようです。アジアでは日本などで消費者心理が改善してきました。一方、ユーロ圏はロシアやウクライナと地理的に近く、経済的な結びつきも大きいことから引き続き先行きが不安。消費者心理が過去最低にまで落ち込んだドイツを中心にリセッション入りが現実味を増しています。中国もロックダウンなどの影響もあって景気は軟調となってきました。
やはり中国経済の先行きへの懸念は大きく、ピクテは中国株をオーバーウエートからニュートラルに引き下げました。一方、英国株は引き続きオーバーウエート推奨。資源関連銘柄やディフェンシブ優良銘柄が多い英国株は、「経済の減速局面においても他市場を上回るパフォーマンスをあげることが期待」できるとのことです。
しばらくは金利上昇の影響を受けやすいセクターや景気感応度の高いセクターは避けて、バリュー株など投資家心理が今後回復した際に恩恵を受けることが期待できる銘柄を選好すべしということになります。
【ご参考】
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