サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2020年12月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の12月の騰落率は+3.22%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+2.81%でした。前月に続いて参考指数をアウトパフォームしました。ピクテは「景気回復を確信」と強気の見通しを明らかにしており、とくに日本と新興国の株式をオーバーウエート推奨しています。その理由のひとつが、新型コロナウイルス大流行の影響が軽微だからというのですから、なかなか興味深いものがあります。
2020年12月は、欧米で新型コロナウイルスのワクチン接種がスタートしたことや、米国の追加経済対策への期待から株式は上昇基調で推移しました。英国とEUの通商交渉が合意したことなども市場に好感されています。このため2021年での景気回復期待も高まっており、月間でも株価を押し上げる展開となりました。
こうした中、ピクテも先行きに対してかなり強気の見通しを持ち始めています。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」1月号には「景気回復を確信」と強気のタイトルがつきます。新型コロナワクチンの進展や各国の経済対策によって良好なマクロ経済環境が形成されており、企業利益を押し上げる材料が整い始めました。このため現在の株価収益率(PER)の低下を十分に相殺できると見ています。このためピクテは株式をオーバーウエートに引き上げました。
ピクテのレポートを読んでとくに印象深かったのが中国を中心とした新興国と日本への期待の高さです。新型コロナ禍からいち早く回復した中国が牽引する形で新興国の経済が好転するのは理解できるのですが、日本にも期待できるというのは日本人からするとちょっと意外かもしれません。しかも、その理由として日本が米国と並んで「巨額の財政出動が予想されることに加え、冬場の新型コロナウイルス大流行(パンデミック)の影響は、両国ともに軽微に留まることが予想されます」というのですから面白い。
結局、これが海外から見た日本の実態なのでしょう。日本では感染拡大の第3波として大きな騒ぎになっているのですが、ケタ違いの感染者数や死者数を出している欧米から見れば、日本の状態など「軽微」なわけです。実際に日本で緊急事態宣言が出たといっても、欧州などで実施されているロックダウンと比べれば、行動制限のレベルがまるで違います。当然、それは経済への影響の度合いとして反映されます。そのあたりを運用者は冷徹に見てるということでしょう。
日本で暮らしているとなかなか実感として分らない海外からの見方を知ることができるのも海外の運用会社のレポートを読む楽しみです。2021年に入って、実際にピクテの見通し通りに経済が回復するのかは分かりませんが、やはり期待したいところです。
【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プラン 、auカブコム証券確定拠出年金プラン
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