サテライトポートフォリオの一部として保有している「ひふみ投信」の2017年7月次運用報告書が出たので定例ウオッチです。「ひふみ投信」の7月の騰落率は+1.7%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+0.4%でした。再び参考指数をアウトパフォームするなど、あいかわらず勢いが止まりません。純資産残高は7月31日段階で735.6億円(前月は606.4億円)、受益権総口数は17,109,744.851口(前月は15,926,841,841口)でした。ひふみマザーファンドの純資産残高も3039.9億円(前月は2685億円)となり、順調な資金流入が続いています。引き続きこの潤沢な資金をどのように活用していくかが「ひふみ投信」の課題となります。
7月は日経平均株価を2万円を挟んでヨコヨコで推移するなど方向感のない相場が続きました。こういう展開になると「ひふみ投信」が得意とする中小型株や成長株が物色されやすい展開となります。また、積極的に組み込んでいる半導体関連銘柄も上昇しました。こうした背景から参考指数をアウトパフォームできたようです。注目の米国株投資についてはマイクロソフトとアマゾンへの投資を続けていますが、マイクロソフトが引き続き堅調な株価であるのに対して、アマゾンはやや値を下げています。しかしアマゾンへの評価は変わらず、さらに下落すれば買い増しも検討しているそうです。
今後の運用についてですが、半導体関連銘柄については決算も上方修正が続いているなど好調ですから、大きな問題はないという判断。その上で米国株について最高運用責任者である藤野英人さんは次のように書いていました。
今後、保有銘柄を増やす可能性があります。7月は米国の主要株価指数が揃って最高値を更新しており、8月には米国の高成長銘柄が調整局面を迎え下落する可能性があると考えており、その際に米国株式の組み入れをさらに加速しようと考えています。実際に8月に米国の高成長銘柄が調整局面を迎えるのかどうかは分かりませんが、為替水準も含めて押し目をしっかりと拾っていこうということででしょう。また、日本株についても大型株の中にしっかりと成長しようとする見どころのある企業が増えていることから、こうした銘柄もしっかりと組み入れていくとのこと。
その意味では、米国株投資も含めて「ひふみ投信」は“中小型株ファンド”といえなくなってくるような気がします。元々「ひふみ投信」は幅広い投資ユニバースが設定されたファンドですから、市場環境に合わせて常に有望なセクターやカテゴリーに投資対象を変化させることができる。こういう融通無碍さというのはアクティブファンドの強みでしょう。「ひふみ投信」は、すでに新たな出発を遂げているのかもしれません。それがどこに向かうのか、受益者として引き続く見守りたいと思います。
さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回はマイクロソフト(MSFT)でした。これは説明不要。世界を代表するIT企業の巨魁。しかも、Windowsに代表される単純なソフトウエア中心のビジネスから、クラウドコンピューティングによるサブスクリプション型ビジネスへの転換を図っている真っ最中です。だから藤野さんが「同社の成長のカギを握るのは「Azure」に代表されるクラウドサービス事業です」と指摘するのは正しい。しかもマイクロソフトのクラウドサービスのライバルはアマゾンの「AWS」ですから、その意味で「ひふみ投信」が米国株の中からマイクロソフトと合わせてアマゾンにも投資しているのは、どういった成長ストーリーを描いているのか示唆的なのかもしれません。
【ご参考】
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また、ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する確定拠出年金専用ファンド「ひふみ年金」がSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)プランでラインアップされています。SBI証券のiDeCoは手数料の安さや低コストインデックスファンドをそろえた商品ラインアップが素晴らしく、iDeCoの選択肢として最有力のひとつです。こちらもネットから無料で簡単に資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン