2016年9月11日

ロバート・シラー教授も勧める分散投資



イエール大学のロバート・シラー教授といえば、米国の不動産市況を判断する重要な指標であるS&Pケース・シラー住宅価格指数の生みの親であり、インフレの影響を加味した株価評価指標「CAPEレシオ」の開発者として知られます。『投機バブル 根拠なき熱狂―アメリカ株式市場、暴落の必然』で米国のITバブル崩壊やサブプライム危機に警鐘を鳴らし、2013年にはノーベル経済学賞を受賞しました。そのシラー教授のインタビューが「日経マネー」2016年10月号に掲載されています。また、抜粋が日経新聞にも掲載されました。

なじみない資産に分散投資を シラー教授に聞く(「日本経済新聞」電子版)

これが非常に面白い。シラー教授は現在の世界的な低金利の要因として、技術革命によって将来の不安に駆られた人々が国債に殺到した結果だと解釈しています。そして、そうした世界では「あまりなじみのない投資をしなければならない」と、できるだけ多くの異なる資産に分散投資する必要性を指摘しています。
2016年9月10日

久しぶりに参考指数をアウトパフォーム―iTrust世界株式の2016年8月の運用成績



ピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド、iTrust世界株式の2016年8月次運用報告書が出ましたので、今回も見ていきたいと思います。2016年8月の騰落率は+0.14%でした。参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-0.05%となり、iTrust世界株式は久しぶりに参考指数をアウトパフォームしたことになります。参考指数との比較はある程度、長期的な視点で行う必要があるので、単月での勝ち負けはあまり意味がありません。ただ、ここしばらくはインデックスをアンダーパフォームする成績が続いていましたので、ようやく参考指数を上回るパフォーマンスが出たことで受益者としてもひと安心です。設定来の騰落率では、まだまだ大きく負けていますので、この調子で追い上げて欲しいものです。
2016年9月9日

楽天証券が個人型確定拠出年金の商品ラインアップを発表―低コストインデックスファンドからユニークなアクティブファンドまで揃う



このほど個人型確定拠出年金(個人型DC)に参入し、9月下旬から加入受付を開始する楽天証券が、商品ラインナップの第1弾を発表しました。また、サイトには確定拠出年金専用ページも開設されています。

個人型確定拠出年金 商品ラインナップ第 1 弾発表(楽天証券)

先日ブログでもお伝えしたようにセゾン投信の2ファンドのほか、業界最低水準の低コストインデックスファンドが多数ラインアップされています。また、驚いたことにピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド、iTrust世界株式とiTrust日本株式も楽天証券の個人型DCに登場しました。低コストインデックスファンドからユニークなアクティブファンドまで揃うラインアップは非常に魅力的です。そのうえ残高20万円以上で運営管理手数料が無料となるのですから、個人型DCの選択肢として最有力に躍り出たといえるでしょう(記事末尾に追記あり)。
2016年9月8日

セゾン投信が楽天証券の個人型確定拠出年金にラインアップ―問われる“信託報酬の合理性”



セゾン投信が個人型確定拠出年金に参入します。9月末からサービス開始を予定している楽天証券の個人型確定拠出年金(個人型DC)の商品ラインアップにセゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドセゾン資産形成の達人ファンドが加わるとのことです。

セゾン投信 個人型DCへ参入 ~商品提供開始のお知らせ~(セゾン投信)
セゾン投信、個人型の確定拠出年金参入 楽天証券と(「日本経済新聞」電子版)
楽天証券が個人型DCでセゾン投信と組む理由(東洋経済ONLINE)

これまで直販にこだわり続けたセゾン投信としては大きな決断です。セゾン投信の2ファンドは、いずれも良心的なファンドとして実績があり、直販ならではのきめ細やかな情報発信や受益者に対するフォローの素晴らしさから根強い人気があります。これが個人型DCでも買えるとなると、楽天証券の個人型DCプランに興味を持つ人は少なくないのでは。来年1月から加入対象者が拡大されることで競争激化が予想される個人型DCの分野でセゾン投信と楽天証券がどういった切り口を打ち出してくるのか注目です。
2016年9月7日

日銀のETF購入枠拡大に翻弄される―ひふみ投信の2016年8月の運用成績



ひふみ投信の8月次運用報告書が出ました。2016年8月の運用成績は騰落率が-4.3%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+0.5%でしたから、8月は指数を大きくアンダーパフォームしました。8月31日段階での純資産残高は311.7億円(前月は320.1億円)、受益権総口数は9,886,224,211口(前月は9,717,098,915口)となりました。純資産残高は保有資産の下落に伴い減少していますが、総受益権口数が増えていますので、8月も安定的な資金流入があったいえます。参考指数との比較で、ここ最近では最悪に近い運用成績となったわけですが、ひふみ投信ではその要因の一つとして、日銀による大規模なETF購入枠拡大があると見ています。

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