2020年4月19日

愛用の革靴用クリームやリムーバーを紹介します



これまで何度か革靴についての記事を書いたのですが、ちょっとした反響がありました。やはり本格革靴が静かなブームになっていることを実感します。そこで今回は現在愛用している革靴用クリームやリムーバー(汚れ落としクリーム)を紹介したいと思います。基本的に大手メーカー・ブランドのものなら、いずれもしっかりとした性能と品質ですから、別に商品の優劣を強調するものではありません。あくまで個人的好みによる選択だと割り切って参考にしてもらえれば幸いです。

靴磨きは基本的に以下のような手順になります。

①馬毛ブラシで全体のホコリを落とす
②リムーバーで汚れや古いクリームを落として革をすっぴん状態にする
③革靴用クリームを薄く全体に塗り込む
④豚毛ブラシでクリームを全体に馴染ませながら余分なクリームを除去する
⑤山羊毛ブラシやムートン、綿布(古いTシャツなどの端切れで十分)などで乾拭きし、さらに余分なクリームを除去して艶と光沢を出す。

その後はワックスによる鏡面磨きをする場合もありますが、これは好みの問題です。私はあまり革靴がギラギラ光っているのは好みではないので、鏡面磨きはあまりしません。

この中で案外と軽視されがちなのが①と②の工程。ところがこれが非常に重要なのです。革靴についた砂やホコリは革から油分を奪って硬化させる原因となりますから、馬毛ブラシによるブラッシングは靴磨きのときだけでなく履くたびに行うことが非常です。そして靴磨きの際にはリムーバーを使って汚れだけでなく古いクリームをしっかりと除去するのがポイント。なぜなら古いクリームは油分が酸化し、やはり革を硬化させるからです。定期的に靴磨きをしているのに、なぜかアッパーの革にクラックが入ってしまうという人がいますが、それは古いクリームを除去せずに、さらにクリームを重ね塗りしてしまっていることが原因の可能性があります。

さて、そのリムーバーですが私が愛用しているのが、「M.MOWBRAYステインリムーバー」「BootBlackシルバーライン ツーフェイスローション」。M.モウブレイのステインリムーバーは水性なので非常に革に優しいのが特徴です。ブートブラックシルバーラインのツーフェイスローションは水性と油性の混合タイプなので水性汚れと油性汚れ両方ともよく落ちます。少し力を入れて汚れを落としたいときに愛用しています。



しっかりと汚れと古いクリームを落としたら、革靴用クリームを塗り込みます。クリームには乳化性と油性の2種類がありますが、油分と水分の両方含む乳化性クリームの方が扱いが簡単でしょう。乳化性クリームもいろいろなメーカー・ブランドから出ていて、どれも悪くありません。その中で私が愛用しているのが「BootBlack COLOR SHOE CREAM」



ナノ顔料による補色効果は、あまりギラギラした色にならない印象で気に入っています。国内メーカーであるコロンブスが生産しているので、日本の気候風土に合わせた成分調合になっているのも、このクリームを選んだ理由でした。もちろん、ニュートラル(無色)もあります。一方、少し使い方に慣れが必要ですが油性クリームなら「SaphirNoirクレム1925」の一択でしょう。発色が非常に美しいのも特徴です。



さて、革靴メンテナンスでもうひとつぜひ持っておきたいのがデリケートクリームです。これは革がすこし乾燥していると感じたときや、新しく買った革靴のプレメンテナンスで使用します。乳化性クリーム以上に革に潤いを与えることができます。デリケートクリームもいろいろなメーカーから出ていますが、個人的に最高峰だと思うのが「BootBlack RICH MOISTURE」



これは最強のデリケートクリームでしょう。天然のアルガンオイルにマカダミアナッツバターとヒマワリバター、カルナバワックスが配合され、圧倒的な浸透力と保湿力があります。これを使うと革のモチモチ感が凄く、しかも長く持続します。ちょっと高価なローションですが、価格に見合う効果があります。

もちろん高価なローションだけでなく日常使いのデリケートクリームもあります(デリケートクリームは意外とよく使う)。愛用してるのが「SAPHIRデリケートクリーム」です。



デリケートクリームは通常、水分と栄養分となる油分で構成されていますが、なかには革に艶を出すために蝋分が含まれているものもあります。しかし、サフィールのデリケートクリームは蝋分が含まれていません。このため、これだけでは艶が出ないのですが、その代わりに革を蝋でコーティングしないので塗った後に油性クリームや乳化性クリームを塗ると浸透が良い。デリケートクリームの機能に特化しているところが気に入りました。ただ、いかにも“おフランス”といった独特の香りは好みの分かれるところでしょう。

コストパフォーマンス重視なら、「M.MOWBRAYデリケートクリーム」「Boot Blackシルバーライン デリケートクリーム」もお勧めです。M.モゥブレイのデリケートクリームは非常に水分が豊富で浸透力があり、革をみずみずしくしてくれます。ブートブラックシルバーラインのデリケートクリームは蝋分も含まれてるので、これだけでもある程度の艶が出ます。価格も安く、コストパフォーマンスが極めて高いのも魅力です。



いろいろな道具やクリームを試してみたくなるのも靴磨きの楽しみ。ついつい気になるケア用品があると手を出してしまい、ますます靴磨きの頻度が高まるのでした。

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