新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言で本業の方がバタバタしており、それこそ投資どころではなくなってきました。こういう時こそ給料天引きで積立投資が自動的にできる個人型確定拠出年金(iDeCo)の仕組みの便利さを実感しています。SBI証券のオリジナルプランで拠出・運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の4月の買付(3月拠出分)が約定しました。“コロナ・ショック”で再びマイナス転落した累積損益率ですが、4月16日段階で-0.2%まで戻しており、相場も徐々に落ち着きつつあるのかもしれません。そう考えると、やはりこれからiDeCoを始めようと思っている人にとっては今は絶好の始め時かもしれません。実際にそういった動きも出てきたようで、iDeCoの加入者数が2月末で150万人を突破しました。
SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」
3月は定期預金と先進国債券インデックスファンド以外はすべて含み損となっていましたが、現在は先進国株式インデックスファンドも再びプラスにまで回復しています。国内株式インデックスファンドもプラスマイナス・トントン近くまで回復しました。ただ、依然として新型コロナ問題が収束しない中で意外と株式市場が底堅いのは不気味でもあります。やはり2番底、3番底があってもおかしくないないと思っています。
一方で現在のように株式市場が低迷しているときというのは、長期の積立投資を始める場合の絶好のエントリーポイントかもしれないということは以前の記事でも指摘しました。そして実際に、そうした動きも出ているようです。モーニングスターによるとiDeCo新規加入者数が150万人を突破したそうです。
iDeCoの2月の新規加入者は約4.2万人で18年4月以来の高水準、加入150万人突破(モーニングスター)
もっとも2月はまだ“コロナ・ショック”の初動でしたから、本当に現在の株価急落を受けてiDeCo加入者が増加しているのか分からない面もあります。その意味で3月の新規加入者数がどうなるのかが非常に気になるところ。記事にあるようにネット証券では3月も過去最高のペースで新規口座開設があったそうです。同様のことがiDeCoでも起こっているとすると、やはり現在の株価急落を契機に国民の間でiDeCo活用の機運が加速する可能性が出ていました。
新型コロナウイルスは、既存の経済システムや社会構造を大きく変える契機になるかもしれません。当然、資産運用も大きな影響を受けるでしょう。そこでiDeCoの存在感もまた変わるはずです。iDeCo加入者の増加は、そうした地殻変動の一端なのかもしれません。だからこそiDeCoに感心のある人は、この機会にじっくりと研究してみるのがいいかもしれません。
【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン
iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。
iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。