2017年1月22日

受益者の存在がファンドの品質を磨き上げる時代に



私の家は祖父から三代に渡って株式投資を嗜んできましたが、父の代まで投資信託という仕組みに対して否定的でした。父はいまだに「投資信託はボッタクリのインチキ商品だ」と公言して憚りません。しかし、そういう感覚というのはある時代までは至極真っ当な認識だったのも事実です。それほど日本の投資信託は、アクティブファンドを中心に高コストで運用成績も冴えないという劣悪な品質の商品が多かったからです。そんな日本の投資・運用業界の悪弊はいまだに続いているともいえます。しかし、その状況を変える存在としてあるのが一部の良質なアクティブファンドと、低コストなインデックスファンドです。ここ数年、インデックスファンドを中心に日本の投資信託の品質が劇的に向上しています。こうした動きは、ファンドと受益者の関係を大きく変えようとしています。本当の意味でファンドと受益者が協力することで運用の品質を高めることができる時代が来ようとしているように感じます。
2017年1月21日

インデックス投資の知識は、ある日突然に必要となる―2017年1月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績



ドナルド・トランプ氏が第45代の米国大統領に就任しました。いろいろと評価が分かれる人物なわけですが、米国の大統領というのは一国のリーダーであると同時に、世界のリーダーの一人でもあります。ぜひ頑張って欲しいと思います。国際分散投資をしている者としては、今年も世界経済が平穏であって欲しいと願わずにはいられません。そんな中、2017年の最初の投資としてSBI証券のプランで拠出している個人型確定拠出年金(iDeCo)の買い付けが約定しました。拠出開始来の累積リターンは+8.7%となっています(1月20日現在)。ところでiDeCo、盛り上がってるんですかね。投資クラスターの間では話題沸騰ですが、世間一般からすればまだまだマイナーな存在なのかもしれません。ただ、企業型も含めると確定拠出年金は日本人の間でインデックス投資が普及するきっかけになるということを実感する出来事もありました。インデックス投資の知識はある日突然に必要となる時代なのです。
2017年1月19日

まだまだマザーファンドの規模が小さい<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド



ニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>シリーズのうち6ファンドの運用報告書がアップされました。実質コストまとめなどは有力ブロガーさんに任せるとして、さっそく自分が保有している<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの第3期(2015年11月21日~2016年11月21日)運用報告書を読んでみました。昨年は大きなトラッキングエラーが発生するなど、いまひとつ運用が安定しない<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドですが、1年間を通じてはどういった結果になったのでしょうか。
2017年1月18日

ポートフォリオ組み換えで久々のアウトパフォーム―iTrust世界株式の2016年12月の運用成績



先日開催された「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」の表彰式でも少し話題になってのですが、最近では低コストなアクティブファンドに対する関心も徐々に高まってきました。そんな低コストアクティブファンドとして私も保有しているピクテ投信投資顧問の「iTrust世界株式」の2016年12月次運用報告が出ましたので定例ウオッチです。12月の騰落率は+6.28%、参考指数であるMSCIワールド・インデックスの騰落率は+6.01%でした。久しぶりに参考指数をアウトパフォームしています。昨年11月から相場のキャラクターが大きく変化したことから、iTrust世界株式もポートフォリオを若干組み換えていました。その成果が少しずつですが発揮されてきたと言えそうです。
2017年1月17日

金融庁長官が「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」にメッセージを寄せた意味


写真提供:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year運営委員会

このほど「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2016」の表彰式に初めて参加したのですが、イベントの冒頭で森信親金融庁長官から寄せられたメッセージが発表されたことに衝撃を受けました。

金融庁長官からのメッセージ(「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2016」公式サイト)

日本ではこれまでも多くのメディアや団体・企業が個別の金融商品を表彰するイベントを実施していますが、そういった個別の金融商品を紹介するイベントに監督官庁トップである金融庁長官がメッセージを寄せるなどは異例中の異例だからです。しかも今回、森長官がメッセージを寄せたのは市井の個人投資家たちが手弁当で運営するイベントです。表彰式後の懇親会でカン・チュンドさんともちょっと話したのですが、金融庁長官が個人投資家の活動にメッセージを送ったことは日本の投資・運用業界や金融機関にとって極めて大きな意味を持つはずです。
2017年1月16日

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」が決定―運用会社に“できること”と“できない”こと



「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」の表彰式が14日に開催されました。ついに私も参加してきました。表彰式後の懇親会も含めて、非常に楽しいイベントでした。当日の様子は、今回もすぱいくさんが素晴らしい速記録をアップしています。

【速報】投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016 結果発表【第一部 投資信託 これまでの10年、これからの10年】 #foy2016(1億円を貯めてみよう!chapter2 )
【速報】投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016 結果発表【第二部 結果発表】 #foy2016(同)

今回も1位から10位までのランキングを見て、いろいろと感心してしまいました。1位と2位のファンドに対する投信ブロガーの評価の差は、かなり高度な評価基準に基づくものだったのでは。それは、運用会社にとって“できること”と“できないこと”を峻別した上で、“できること”を実現するために努力し、結果を出していることへの評価のように感じるのです。

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