2017年1月19日

まだまだマザーファンドの規模が小さい<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド



ニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>シリーズのうち6ファンドの運用報告書がアップされました。実質コストまとめなどは有力ブロガーさんに任せるとして、さっそく自分が保有している<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの第3期(2015年11月21日~2016年11月21日)運用報告書を読んでみました。昨年は大きなトラッキングエラーが発生するなど、いまひとつ運用が安定しない<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドですが、1年間を通じてはどういった結果になったのでしょうか。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの実質コストは以下のようになりました(なお第3期は信託報酬引き下げ前のコストとなります)。

信託報酬               0.26%
売買委託手数料   0.013%
有価証券取引税   0.027%
その他費用           0.08%
合計                       0.379%

気になるベンチマークとの乖離ですが、ファンドの基準価額騰落率が-8.0%に対してベンチマーク騰落率は-7.8%でした。ベンチマークとの差異は-0.2%となり、信託報酬を考慮すると年間では概ねベンチマークに連動した運用成績となっています。

ただ、実質コストはほぼ前期並みので推移しているものの、たわらノーロード先進国株式の実質コストは初年度の変則決算ながら0.2%台でしたから、この点では明らかにたわらノーロード先進国株式に軍配が上がります。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは今期から信託報酬が0.04%引き下げらていますが、それを考慮してもたわらノーロード先進国株式の方が実質コストは低くなりそうです。明らかに売買委託手数料と有価証券取引税、その他費用など“隠れコスト”が、たわらノーロード先進国株式と比較して高くなっているからです。

実質コストが高くなる理由は、おろらくマザーファンドの小ささが原因と考えられます。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの純資産残高は16年11月21日段階で356億円(前年同期は190億円)となりましたが、マザーファンドの純資産残高は624億円しかありません。たわらノーロード先進国株式のマザーファンドの純資産残高は2426億円もあります(ここ1年で600億円ほど減っているのが気になりますが)。また、SMTグローバル株式インデックス・オープンやeMAXIS先進国株式インデックスのマザーファンドも純資産残高はいずれも2000億円を超えています。

それらと比べると<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドのマザーファンドは規模がかなり小さいですから、どうしても隠れコストが割高になりやすい。また、マザーファンドの規模が小さいと大口の資金流入・流出と急激な株価・為替変動が重なったときに運用に悪影響が出る可能性も高まります。ですから、まずはマザーファンドの規模を拡大していくことがニッセイアセットマネジメントの仕事でしょう。今後、マザーファンドが成長することで隠れコストも低減し、運用の安定度も高まることを期待したいと思います。

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