2024年2月22日

DCに採用されているファンドの低コスト化は大切だ―2024年2月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績

 

SBI証券のプランで拠出している個人型確定拠出年金(iDeCo)の2月買付(2024年1月拠出分)の定例報告です。先日、ブログでも紹介しましたが、SBI証券のiDeCoプランに採用されている「EXE-i」シリーズが2月からリニューアルし、信託報酬が大幅に引き下げられました。これは何度も指摘していることですが、iDeCoだけでなく企業型確定拠出年金(企業型DC)も含めてDCの採用されているファンドの低コスト化というのは非常に大切なことです。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.09889%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.096%+投資対象ETF信託報酬0.0705%程度)
「EXE-i全世界中小型株式ファンド」(0.18%+投資対象ETF信託報酬0.054%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

累積損益率は2 月20 日段階で+62.6%となり、またもや過去最高値を更新しました。最近の相場の好調を受けて順調に年金資産が増えています。また、先日の記事「「EXE-i」シリーズが一段と低コストファンドに生まれ変わった」で紹介したように、私が買い付けている「EXE-i新興国株式ファンド」と「EXE-i全世界中小型株式ファンド」の信託報酬が大幅に引き下げられたことも嬉しい動きでした。これでSBI証券のiDeCoオリジナルプランの魅力と競争力が再び高まったと言えるでしょう。

これは何度もこのブログでも指摘してきましたが、個人型、企業型問わずDCに採用されているインデックスファンドの信託報酬を引き下げることは極めて大切なことです。なぜならDCではそのプランに採用されているファンドしか買うことができず、新たに低コストなインデックスファンドが登場したからといって、容易に乗り換えることができないからです。

実際にSBI証券のiDeCoも、超低コストインデックスファンドが相次いで新規設定された際には従来からあったオリジナルプランとは別に超低コストインデックスファンドをランアップしたセレクトプランを用意するなど苦肉の策を採っています。しかし、オリジナルプランからセレクトプランに移換した加入者もいる一方で、私のように手続きの煩雑さや移換の際の株価変動リスクを嫌ってオリジナルプランにとどまっている加入者もかなりいるはず。こういった加入者に対して相対的にコストが割高になったファンドを提供し続ける運用会社と運営管理金融機関は、受益者に対するフィデューシャリーデューティーに反します。企業型DCにいたっては運営管理機関を移換することもできませんからなおさら。米国なら訴訟リスクを負うでしょう。

だからこそ、DCに採用されているファンドの信託報酬を自律的に引き下げる運用会社は大いに評価できます。SBIアセットマネジメントの「EXE-i」シリーズだけでなく、ニッセイアセットマネジメントの「DCニッセイ」シリーズなどもこれまで信託報酬が引き下げられてきました。こうした動きがさらに活発になり、それこそ当たり前にならなければなりません。その意味で今回の「EXE-i」シリーズの信託報酬引き下げによってSBI証券のiDeCoオリジナルプランの魅力と競争力が回復したことは大きな意義があると思います。

【ご参考】PR
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。

iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。

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