2024年2月24日

日経平均株価が34年ぶりに過去最高値を更新―“失われた30年”は絶好の“買い場”だった?

 

日経平均株価が34年ぶりに過去最高値を更新しました。日経平均株価が指標として適正なのかどうかは様々な意見がありますが、ともかくひとつの節目を迎えたことだけは確かです。それにしても34年ぶりというのは本当に長い。その間、「日本株は上がらない」と散々に言われ、“日本株オワコン論”が常識化していたわけですが、こうして過去最高値を更新した段階で振り返ると、“失われた30年”というのは、じつは絶好の“買い場”だったのかもしれないという皮肉な風景が見えてきます。

1990年にバブルが崩壊して以降、下落トレンドが続いた日経平均株価は2009年のリーマン・ショックの際には7000円台まで落ち込みます。その後、2012年に“アベノミクス”が始まり、ようやく反転上昇となったのですが、やはりあまりに株価低迷時期が長く、日本人の間には「日本株は上がらない」という先入観が形成されたように思います。このため2012年以降、株価が順調に上昇しても「いずれすぐに暴落する」「いま株を買ってはいけない」といったことを主張する人が後を絶ちませんでした。それほど日本人の間で日本株に対する特異な先入観が形作られたのが“失われた30年”の姿です。

ところが今回、ついに過去最高値を更新した段階で振り返ると、この30年というのはじつは絶好の“買い場”だったという現実です。実際にこの30年間、コツコツと株を買い増してきた人は現在、非常に大きなリターンを得ています。実際に私の身の回りにも、バブル崩壊で保有株が大幅に値下がりしても保有を続け、さらに余剰資金があるときはコツコツと買い増ししてきた人がいますが、そういった人は現在、軒並み資産が大幅に増加しています。

こうした30年間の株価の変遷が教えてくれることは、やはり「最後まで市場に居続けた人が儲ける」という平凡な原理です。そして、批評だけして行動しない人には何のリターンもないという冷酷な現実です。この30年間、株式投資を馬鹿にして行動しなかった人は現在、激しいインフレによる購買力の低下に苦しんでいるはず。一方、株価が伸び悩むなかでも我慢して投資を継続した人は、インフレを上回る資産の増加を享受しているわけです。

もちろん将来の株価は予想できませんから、日本株が今後どうなっていくのかは分かりません。しかし、少なくとも途中経過として、ひとつの結果が出たと思う。恐らくこれから、日本人の株に対する認識も変化していくことでしょう。ようやく特異な認識が改められて、正常化していくのではないでしょうか。そういう意味でも、日経平均株価が過去最高値を更新したというのは、やはり大きな節目となる出来事だと思うのです。

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