2019年7月17日

「eMAXIS Slim全世界株式」3本が信託報酬引き下げ―重要性高まる全世界株式インデックスファンド



既に何人ものブロガーさんが報告していますが、三菱UFJ国際投信が「eMAXIS Slim全世界株式」3本の信託報酬を8月9日から引き下げると発表しました。

業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施(三菱UFJ国際投信)

これにより3本とも0.142%以内(税抜き)だった信託報酬が0.12%以内に引き下げられることになります。近年、全世界株式インデックスファンドの重要性が高まっていますから、今回の三菱UFJ国際投信の動きは個人投資家にとって非常にありがたいことです。

今回、信託報酬が引き下げられるのは以下の3本です。

「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」
「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」

それぞれベンチマークや資産配分が微妙に異なりますが、いずれも1本で全世界の株式に投資できる魅力的なインデックスファンドです(ちなみに、どのファンドがいちばん良いのかというのは完全に個人の好みによります)。

今回の信託報酬引き下げは、セットマネジメントOneが「たわらノーロード全世界株式」を7月22日付で新規設定するのに対抗したもであるのは間違いありません。このため信託報酬もともに0.12%となり、カテゴリー最安値に並ぶことになります(ただし、「eMAXIS Slim」は受益者還元型信託報酬を導入しているため、純資産残高が500億円と1000億円をこえた段階で信託報酬はさらに下がります)。

近年、全世界株式インデックスファンドの重要性は一段と高まりました。理由のひとつが「つみたてNISA」の存在。「つみたてNISA」は売買ともに非課税枠を消費してしまうため事実上、口座内でのリバランスが難しいのです。このため1本で全世界の株式に投資できる全世界株式インデックスファンドは「つみたてNISA」で活用するのに最適でしょう。もちろん通常の課税口座でもリバランス不要の文字通り“ほったらかし投資”を実践できる便利なファンドです。

「たわらノーロード全世界株式」の設定に続いて「eMAXIS Slim全世界株式」3本の信託報酬引き下げで、全世界株式インデックスファンドでも低コスト競争が繰り広げられることになります。国際分散投資を実践したい個人投資家にとってますますありがたい投資環境が整備されました。ぜひ引き続き両ファンドには頑張って欲しいと思います。

【関連記事】
「たわらノーロード全世界株式」が登場―MSCI ACWIに投資するインデックスファンドにも新たな競争

関連コンテンツ