2019年7月9日

「たわらノーロード全世界株式」が登場―MSCI ACWIに投資するインデックスファンドにも新たな競争



既に何人ものブロガーさんが報告していますが、アセットマネジメントOneがMSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)をベンチマークとするインデックスファンド「たわらノーロード全世界株式」を7月22日付で新規設定します。

低コストファンドシリーズの新ファンド設定 -「たわらノーロード 全世界株式」(アセットマネジメントOne)

信託報酬は、なんと税抜0.12%。このカテゴリーとしては最安値となります。MSCI ACWIは日本と新興国を含む全世界の主要株式をカバーしており、文字通り“これ1本で世界全体に投資”できるのが最大の魅力。そしてMSCI ACWIをベンチマークとするインデックスファンドでも新たな競争が始まることになりそうです。

MSCI ACWIは世界の先進国23カ国と新興国24カ国の主要株式を時価総額比率で加重平均して指数化したものであり、先進国の中には日本も含まれているため、まさに全世界に丸ごと投資できるインデックスとなります。

MSCI ACWIをベンチマークとする低コストインデックスファンドとしては三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」(信託報酬:税抜0.142%)の独壇場となっていたのですが、これに対してAMOneの「たわらノーロード全世界株式」がさらなる低コストで真っ向勝負を挑んできたことになります。

MSCI ACWIに限らず日本や新興国を含む全世界株式インデックスの重要性は大きいものがあります。なぜなら、こういった指数に投資するインデックスファンドは「つみたてNISA」に最適だからです。「つみたてNISA」は売買ともに非課税枠を消費してしまうため事実上、口座内でのリバランスが非常に難しい。このため1本で全世界の株式に投資できるベンチマークの存在は非常にありがたいのです。

もちろん、設定当初は運用の安定度など様子を見るべきですが、その問題がクリアされれば「たわらノーロード全世界株式」はインデックス投資家にとって有力な選択肢として注目です。「つみたてNISA」だけでなく、通常の課税口座でもリバランス不要の文字通り“ほったらかし投資”を実行する場合に便利なファンドとなります。

また、MSCI ACWIをベンチマークとするインデックスファンドに「たわらノーロード」シリーズが参戦したことで、「eMAXIS Slim」シリーズとの低コスト競争が始まることも個人投資家にとっては興味深いところでしょう。

「たわらノーロード」シリーズは設定当初こそ近年のインデックスファンドの低コスト競争をリードする存在でしたが、最近はやや影が薄くなっていただけに、ここからの逆襲に期待したいものです。

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