2019年3月21日

iDeCoへの拠出は老後準備の最低ライン―2019年3月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績



SBI証券のオリジナルプランで拠出・運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の3月の買付(2月拠出分)が約定しました。昨年末までの相場低迷で含み益が大幅に減っていたのですが、年初からの上げ相場でしっかりと回復しています。このため拠出開始来の累積損益率は+15.6%となりました(3月20日現在)。やはり積立投資では、ちょっとした相場の変動で慌てて動いてはいけないということがよくわかります。なにしろiDeCoは老後資金の準備のための制度ですから、短期的な値動きには意味がないのです。そして、私個人としてはiDeCoへの拠出というのは、老後準備のための最低ラインだという気持ちが一段と強くなりました。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.21%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.52%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

1月に定期リバランスを実施して値下がりしていた株式インデックスファンドなどを買い増していたおかげで予想よりも含み益の回復が早かったです。あくまで結果論ですが、ちょとしたリバランスボーナスを獲得できたことになります。

さて、ここからは少し個人的な話です。私は現在、iDeCoには拠出限度額である毎月2万3000円を拠出しています。このほど結婚して家庭を持ったわけですが、改めて思うのは、私にとってこのiDeCoへの拠出金毎月2万3000円というのは老後準備のための最低ラインだなということです。

独身時代は実家暮らしだったこともあり、収入のわりには日々のキャッシュフローに余裕がありました。ところが結婚して独立するとやはり日々のキャッシュフローに余裕がなくなる。家賃、光熱費、食費などで支出がどんどん膨らむのです。このため独身時代のように気軽にリスク資産に資金を回すということができなくなりました。

それでも老後準備はしなければならないわけです。これは専門家も常に指摘していることですが、現在の収入には老後のための生活費が含まれているということを忘れてはいけません。そこで有力な選択肢となるのがiDeCoです。何しろ拠出金が全額所得控除され、換金時も退職所得控除や公的年金等控除の対象となるというのは、課税繰り延べ効果と拠出・給付時のキャッシュフローの両面から極めて大きなメリットがあるからです。

だから私は今後、どれだけ家計のキャッシュフローが厳しくなっても、iDeCoだけは続けようと考えています。課税口座での積立投資などは場合によっては積立額を減らすかもしれないけど、iDeCoだけは拠出限度額を維持する。毎月2万3000円を老後のための資金として用意するというのは、老後準備の最低ラインだと考えています。そして何より、iDeCoに毎月2万3000円を拠出できる家計を維持することが、やはり家計管理の最低目標となるわけです。

こう考えると、一旦加入すれば60歳まで換金できず、事実上脱退不可能というiDeCoの制度設計は、デメリットではなくメリットですらあります。それぐらい厳しいハードルを自分に課してこそ、鍛えの入った家計管理や老後準備ができるということです。そう考えながら、これからもiDeCoへの拠出を続けていきたいと思います。

※iDeCoは税制面で非常にメリットの多い制度ですが、すべての人がその恩恵にあずかれるわけではありません。その点については以前にブログで指摘しましので参照ください。

個人型確定拠出年金は加入者全員に大きな節税メリットがあるわけではない―高額の退職金を受け取る人は受け取り時の課税コストに注意
個人型確定拠出年金は格差是正のための制度でもある

大企業に勤務しているなどで高額の退職金をもらえる人や年金受給額の多い人はiDeCoによる優遇税制の恩恵が小さくなります。そういう人はiDeCoよりも「つみたてNISA」で税制優遇を受けた方がいいかもしれません。

【ご参考】
iDeCoは金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なります。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン

また、iDeCoは、やや制度が複雑なので解説書を読んで研究するのも良いでしょう。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。





関連コンテンツ