2017年2月7日

個人マネーの2つの流れ―証券業界で静かに進む地殻変動



日経新聞の記事によると、個人マネーが株式市場から急速に流出しているそうです。

野村株 独歩高の死角 個人資金流出、兜町に春遠く(「日本経済新聞」電子版)

トランプ相場で株価が上昇したにもかかわらず、「結果として、個人が塩漬け株を売却する絶好の機会になっている。「やれやれの売り注文」が殺到する一方、個人マネーの新たな流入は乏しい状況が続く」ということです。記事で指摘されているように投資資金の流出は「投資家の高齢化も進み、資金流出は構造的な問題の可能性がある」というのは、まさにその通りでしょう。一方、やや趣を異にする発表もありました。SBI証券がネット証券で初めて預かり資産残高が10兆円を突破したそうです。

2017年3月期第3四半期決算プレゼンテーション資料(SBIホールディングス)※24ページ参照

この2つのニュースは、日本の証券業界で静かに進む地殻変動を象徴しているのかもしれません。個人マネーの2つのの流れが明瞭になってきたような気がするのです。
2017年2月5日

「投資は危ない」「株だけはやるな」の正しい意味



日本では株式投資について妙な偏見があって、「投資は危ない」とか「株だけはやるな」ということを真面目に言う人が多数派です。こういう認識は教育現場でも浸透しているぐらいで、相互リンクいただいている大雪さんの記事は、そういった状況をよく示していました。

常識的に、株はやっぱり危険物という認識(毎月2~3万のインデックス投資)

せっかく学校の授業で株式の仕組みについて勉強したのに、「その授業の最後に先生がこう言ったそうです。「株だけはやるなよ」」でズコー。でも、この先生は完全に間違っているわけではあません。実際に投資は、やり方によっては危険なのです。「株だけはやるな」というのは、そういう特定の投資手法についての戒めが一般化した言葉なのでしょう。だからこそ「投資は危ない」「株だけはやるな」という言葉の正しい意味を理解することが必要だと思うのです。
2017年2月4日

GPIFは米国のインフラに投資するのか



2月2日付の日経新聞に奇妙な記事が載っていました。10日にワシントンで開かれる日米首脳会談で、安倍首相がトランプ大統領に日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が米国のインフラ事業に投資することを伝えるというものです。

公的年金、米インフラに投資 首脳会談で提案へ(「日本経済新聞」電子版)

これは実に雑な記事で、誤解を招く内容だとしか言いようがありません。年金運用につて詳しくない人が読むと、まるで政府がGPIFの資金を勝手に使って米国に献上するように読めるからです。ただでさえ世間の誤解にさらされがちなGPIFとしてはたまったものではありません。早速、GPIFの髙橋則広理事長が公式コメントを発表しています。

本日の一部報道について(GPIF)

これは当たり前の反論です。そもそも政府にはGPIFの運用に関して具体的に指図する権限がないのですから。ただ、髙橋理事長のコメントをよく読むと、インフラ投資自体は否定していないことも注意が必要です。GPIFの運用が政府の意向に左右されるのはトンデモナイことですが、GPIFの主体的な投資判断としてのインフラ投資というのは既定路線だからです。
2017年2月2日

運用会社は、まず"現在投資いただいているお客様"に報いなければならない



ニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>シリーズ特設ページに、シリーズの仕掛け人である寺前芳康商品開発部課長とファイナンシャルプランナーの深野康彦氏による対談が掲載されています。

「徹底的にコストに拘る」(ニッセイアセットマネジメント)

<購入・換金手数料なし>シリーズの姿勢がよく分かる内容なのですが、特に寺前課長が「現在投資いただいているお客様に報いたい」と明言したところに感心しました。こういう姿勢こそ、インデックスファンドの低コスト競争が過熱する中で、運用会社として最も大切に考えなければならない点だと感じていたからです。
2017年1月31日

庶民の投資は月2万~3万円からで十分なのだ



ときどきツイッターで交流させていただいているフクリさんのブログ「フクリの海外ETF長期投資ブログ」を読んでいたら、とても納得する内容に出会いました。

バンガードの投資のヒントでも節約を推奨しています。 (フクリの海外ETF長期投資ブログ)

バンガードの2017年のための投資のヒントを紹介しているのですが、ここで紹介されている4つの提案は、すべてが投資の常識論に基づいていて、まったく奇をてらったところがないのがさすがなのです。そんな中でフクリさんは節約を推奨しているところに注目しているわけですが、私も二つ目の提案「より多く貯めて投資する。」の部分を読んでとても納得した次第。とくに、どの程度の資金を投資に回すべきかという問題に対して、極めて常識的な提案をしているところが、さすがバンガードだと思ったのです。
2017年1月30日

株価情報はサラリーマンにとって手頃な世間話のネタなのです



インデックス投資に限らず長期投資を志向する人は、あまり日々の相場の動きに一喜一憂すべきではありません。だから毎日のように株価情報を見るべきではないのです。ところが私は毎日のように相場状況を見ています。なぜかというと、ひとつは私が個人的に相場が好きだというのがあるのですが、やはりサラリーマンにとって株価情報というのはビジネス上の手頃な世間話ネタだからです。

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