2016年8月3日

組入れ銘柄に大きな変化―ひふみ投信の2016年7月の運用成績



ひふみ投信の7月次運用報告書が出ましたので今回も見ていきたいと思います。2016年7月の運用成績は騰落率が+2.8%でした。参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+6.2%でしたから、7月は指数をアンダーパフォームしました。7月29日段階での純資産残高は320.1億円(前月は305.9億円)、受益権総口数は9,717,098,915口(前月は9,547,845,305口)となり、基準価額上昇分を除いても大幅な資金流入となっていることが分かります。あいかわらず受益者のファンドへの信頼感が高い。また、組入れ上位銘柄を見ると前月から引き続き大きな変化があり、銘柄選択と投資戦略の変更が続けられていることが分かります。
2016年8月2日

SBI証券のロボアドバイザーは投資家をバカにしているのか?



最近、多くの証券会社が簡単な質問に答えるだけで最適なポートフォリオ配分などを提示してくれるロボアドバイザーのサービスを始めています。これはこれでなかなか面白い仕組みであって、自分でポートフォリオを決めるのが難しい人が参考にする上ではひとつの選択肢だと思い、このブログでもそれなりに評価してきました。
【関連記事】
見せてもらおうか。銀行のロボ・アドバイザーの性能とやらを!

ただ、低コストなインデックスファンドを使ったポートフォリオ配分を提案するぐらいならロボアドバイザーもなかなか面白いのですが、これが“あなたにお薦めのファンドを紹介します”という目的になると、途端にロボがボロになってしまいます。その一例が、SBI証券がこのほどサービスを開始したSBI-ファンドロボです。試しに診断してみたのですが、結果を見てあきれました。「SBI証券のロボアドバイザーは投資家をバカにしているのか?」と言いたくなります。
2016年8月1日

GPIFの髙橋則広理事長のキャラクターに好感を持ちました



先日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がYouTubeの公式チャンネルにアップしている運用状況記者会見の映像を見ていて感じたのですが、報告している髙橋則広理事長のキャラクターが非常に興味深かった。運用資産135兆円という世界最大級の機関投資家のトップとは思えない腰の低さと朴訥とした語り口に好感を持ったのです。それで同じくYouTubeにアップされていた就任記者会見の映像を見て、その思いはますます強くなりました。ぜんぜん根拠のない印象論ですが、この人は信用できると感じたわけです。そして話をよくよく聞いていると、やっぱり気弱そうな声と口調で、とても大胆なことを言っていたりします。この人を見くびったらダメだと思う。それどころか実力派理事長になる可能性があると感じました。
2016年7月31日

GPIFの2015年度の運用実績は5兆3000億円の損失に―渋み溢れる運用手腕に感心しました



年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2015年度(15年4月~16年3月)の運用実績が発表されました。資産残高の収益額は5兆3000億円の損失、収益率は-3.81%でした。これにより資産総額は134兆7000億円となります。予想通り世間ではGPIFの運用を批判する声もあるわけですが、そういった人はGPIFのホームページにアップされている「運用状況の概況」と詳細な「業務概況書」に、ぜひ目を通して欲しいと思います。

「平成27年度運用状況の概要」(GPIF)
「平成27年度業務概況書」(同)

また、YouTubeのGPIF公式チャンネルに髙橋則広理事長による説明記者会見がアップされていて、これがいちばん簡潔に理解できます。



平成27年度業務概況書会見説明資料

厳しい投資環境に中で、じつに健闘しているいるというのが第一印象。それこそ渋み溢れる運用手腕に、あらためて感心しました。これぞパッシブ運用を中心とした国際分散投資の見本のようなやり方です。
2016年7月29日

“クレクレ病”にかかった投資家たち―日銀や政府の政策目標は株価ではない



今日7月29日に日銀が金融政策決定会合の結果を発表します。なんらかの金融緩和策が発表されるとの期待感から、7月は株価も比較的堅調に上げてきたわけですが、ちょっと期待感が過熱気味の気配も。そんな気配を専門家も敏感に嗅ぎ取っていて、PIMCOのの世界戦略アドバイザー、リチャード・クラリダ氏がかなり悲観的なコメントを発表しています。

日銀の政策、市場が「失望」する確率50%以上-PIMCOクラリダ氏(ブルームバーグ)

実際に日銀の発表が市場関係者の期待を下回った場合、再び日本の株式相場は大きく下げるかもしれません。そうなると投資家の間からも日銀や政府を批判する発言が出てくるのが世の常でしょう。ただ、こういった批判は本来、お門違いなのです。なぜなら日銀や政府の政策目的は株価上昇ではないのだから。逆に反省すべきは、“クレクレ病”に侵された投資家の方なのかもしれません。

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