2016年8月2日

SBI証券のロボアドバイザーは投資家をバカにしているのか?



最近、多くの証券会社が簡単な質問に答えるだけで最適なポートフォリオ配分などを提示してくれるロボアドバイザーのサービスを始めています。これはこれでなかなか面白い仕組みであって、自分でポートフォリオを決めるのが難しい人が参考にする上ではひとつの選択肢だと思い、このブログでもそれなりに評価してきました。
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ただ、低コストなインデックスファンドを使ったポートフォリオ配分を提案するぐらいならロボアドバイザーもなかなか面白いのですが、これが“あなたにお薦めのファンドを紹介します”という目的になると、途端にロボがボロになってしまいます。その一例が、SBI証券がこのほどサービスを開始したSBI-ファンドロボです。試しに診断してみたのですが、結果を見てあきれました。「SBI証券のロボアドバイザーは投資家をバカにしているのか?」と言いたくなります。

SBI-ファンドロボは、投資家がいくつかの質問に答えると、そこで算定したリスクメジャーとモーニングスターの最新評価データを基に最適な投資信託を選んでくれることをうたっています。それで実際にやってみたところ、私のリスクメジャーは「積極派」でした。そこで投資したい地域や資産カテゴリーを選ぶのですが、これが単独地域、もしくはエマージングとグローバルしか選べません。仕方ないので全部を含む「おまかせ」を選んだところ、私に最適な投資信託として提案されたのが次の3本です。

三井住友-高成長インド・中型株式ファンド
(購入手数料3.24% 信託報酬税込2.0294%程度)

T&D-T&Dインド中小型株ファンド
(購入時手数料3.24% 信託報酬税込2.0288%程度 )

新生-新生・UTIインドファンド
(購入時手数料2.16% 信託報酬税込1.9312%程度)

あまりにバカバカしいのでいちいち解説しません。どんな商品なのかはリンク先を見てください。とにかく、なにが悲しくてインド株に投資するアクティブファンドを3つも提案されなければならないのか。ちょっと怒りを覚えましたよ。

問題点が多すぎていちいち指摘できないぐらいなのですが、そもそもアクティブファンドとインデックスファンド、ノーロードファンドと購入手数料が必要なファンドといった重要な違いを無視して、それこそ味噌も糞もいっしょくたにした選択肢から単純にリスクメジャーとモーニングスターの評価データだけでお薦めのファンドを選ぶという考え方が無茶苦茶なのです。いや、不思議なことにお薦めファンドはきちんとコストが高い順に提案される。うがった見方をすると、この部分だけは異様に優秀だ(販売会社にとって)。

ここまでひどいと、ロボアドバイザーの有効性うんぬん以前の問題です。まったくお話にならない。そして改めて思うのは、対面型証券だろうがネット証券だろうが、証券会社が薦めてくる商品は、ほとんどがダメだということ。あるいはネット証券の方がえげつない商品を薦めてくる場合も多いのです。ロボアドバイザーが、そのカモフラージュに使われているわけで、はっきり言って志が低い。

SBI-ファンドロボのうたい文句は「人気やクチコミに惑わされない投資信託選びを」だそうですが、ちゃんちゃらおかしい。それ以下じゃないか。結局、良質な投資信託を探すには、自分で良質の本を読んだり、先輩ブロガーの記事を読んだりするしかないのが日本の投信業界の現状でしょう。そういえば相互リンクいただいているいっさんが、次のように書いていて、私もこれに100%同意します。
ネット証券各社の画面の使い勝手は、それぞれ最低最悪です。
よって、ネット証券の画面を使って買いたい投資信託を選んで見るとかはロクな投信に当たらないのでやめておいた方がいいです。
特に売れ筋とかベスト10とか無視した方がいいです。
買う投資信託は、竹川美奈子さんやカン・チュンドさんの本や気に入ってるブログとかで決めて、それを画面検索して買うと。
買う投信が決まっててもそれにたどり着くのが大変なくらい、各社ひどい使い勝手です。
ワタシの利用する投資信託についての自画自賛シリーズ(番外編①)なぜカブドットコム証券を利用するのか?
あいかわらず日本の個人投資家は劣悪な投資環境に置かれているということを思いださせてくれる出来事でした。こんな使い方をしているようでは、いずれロボアドバイザーの評判も地に落ちるでしょう。それは日本の証券会社にとって情けないことだと思うのです。
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