サイト内検索
2025年8月30日

新興国資産に投資妙味―「iTrust世界株式」の2025年7月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ保有しているピクテ・ジャパンの低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2025年7月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の2025年7月の騰落率は+3.02%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+5.45%でした。残念ながら参考指数に対して大きくアンダーパフォームしています。株式市場自体は上昇トレンドにありますが、バリエーションに割安感が無くなっているため、ピクテは今後の経済情勢次第では大幅下落する可能性があると警鐘を鳴らしています。

7月は、米国経済の底堅さが意識されたことで株式市場も大きく上昇して推移しました。米国と各国の関税交渉も進展していることが好感されています。業種別では、情報技術、資本財・サービス、エネルギー、公益事業などが相対的に大きく上昇しました。一方、生活必需品は下落し、ヘルスケアやコミュニケーション・サービスも相対的に小幅な上昇にとどまっています。

好調な相場が続いているわけですが、バリュエーションの面では割安感が無くなっているため、米国の関税政策の影響が顕在化するなど今後の経済情勢次第では大幅下落に直面する可能性があるというのがピクテの見立てです。このため「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」8月号では「株式、債券、キャッシュともに投資判断をニュートラル」とするなど、慎重な姿勢を強めています。

一方、地域別で見ると中国など新興国は中央銀行による継続的な金融緩和政策が続いていることが追い風。新興国資産に投資妙味があるという見立てです。また、景気動向に業績が左右されにくい業種の企業が多く含まれるスイス株式のオーバーウェイトを継続しています。いずれにしても、まだまだ米国の関税政策の行方と影響など不確定要素に振り回される相場が続きそうです。

関連コンテンツ