SBI証券のプランで拠出している個人型確定拠出年金(iDeCo)の5月買付(2024年4月拠出分)の定例報告です。あいかわらず堅調な相場が続いており、口座残高の評価額は過去最高を更新しました。そのiDeCoですが、ここにきて掛金の拠出上限を引き上げることが健闘されるようです。
SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.09889%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.096%+投資対象ETF信託報酬0.0705%程度)
「EXE-i全世界中小型株式ファンド」(0.18%+投資対象ETF信託報酬0.054%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」
引き続き堅調な相場を反映して、累積損益率は5月22 日段階で+74.8%と過去最高を更新しました。以前にも書きましたが(関連記事:iDeCoは“自分年金”+“自分退職金”)、iDeCoは“自分年金”+“自分退職金”ですから、この調子で運用が上手くいけば、それなりの金額の自分年金・自分退職金になりそう。私のように企業年金がなく、退職金も少ない零細企業勤務のサラリーマンにとっては非常に大切な制度なのです。
そのiDeCoですが、ここにきて年間拠出額の上限引き上げが検討されるようです。政府が6月にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に検討が明記されるという報道が出ています。
iDeCo掛け金の上限引き上げ 政府検討、資産運用後押し(日本経済新聞)
これは非常に良いことだと思います。現在、iDeCoの年間拠出額上限は27万6000円ですが、これは世界的に見ても決して大きな額ではありません。例えば米国の401(k)の場合、年間拠出額上限は50歳未満が2万2500ドル、50歳以上は3万500ドルです。拠出額上限が多いからこそ、米国では401(k)だけで“億り人”になることができます(関連記事:米国には確定拠出年金だけで“億り人”になる人がいる)。
また、iDeCoは掛金が所得控除されますが給付時に課税されるので、税務上のメリットはあくまで「課税繰り延べ」です(もちろん課税繰り延べというのは極めて大きな税務上の利点です。関連記事:iDeCoのメリットは「節税」ではなく「課税繰り延べ」)。ですから、掛金の上限を引き上げても、それほど大きな「金持ち優遇策」にはなりません。逆に現役世代のキャッシュフローを改善する効果があるので、ある意味で近年話題になっている世代間格差を是正する効果も期待できるでしょう。
政府には、ぜひ前向きに検討して欲しいと思います。
【ご参考】PR
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン 、マネックス証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン
iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。
iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』、山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』、田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。