2024年4月20日

iDeCoは“自分年金”+“自分退職金”―2024年4月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績

 

SBI証券のプランで拠出している個人型確定拠出年金(iDeCo)の4月買付(2024年3月拠出分)の定例報告です。新NISAがスタートしてから、やや存在感が低下しているiDeCoですが、私はずっと満額(月2万3000円)拠出を続けています。というのも、iDeCoが“自分年金”であると同時に“自分退職金”でもあるからです。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.09889%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.096%+投資対象ETF信託報酬0.0705%程度)
「EXE-i全世界中小型株式ファンド」(0.18%+投資対象ETF信託報酬0.054%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

引き続き堅調な相場を反映して、累積損益率は4月19 日段階で+64.5%となりました。前月から若干低下していますが、それでも過去最高に近い水準です。比較的低リスクなポートフォリオを組んでいるのですが、それでも十分な運用成績が続いています。

新NISAが始まって以降、やや存在感が低下しているiDeCoですが、そこはNISAとは目的が根本的に異なる制度です。そもそもiDeCoは公的年金を補完する“自分年金”なのですが、加えて“自分退職金”だというのも重要なポイントです。これは企業型DCに加入している人ならすぐに理解できるでしょう。多くの企業型DCは、企業年金だけでなく退職金の一部も兼ねた形で導入されています。年金であると同時に退職金だからこそ、iDeCoも給付時に公的年金等控除だけでなく退職所得控除が適用されることで限度額まで非課税となるわけです。

ですから、iDeCoは勤務先に企業年金がないサラリーマンにとって必要な制度であると同時に、退職金がない、あるいは少ない自営業者や中小零細企業のサラリーマンにとっても大切な制度です。きちんとした退職金制度があっても中途採用のために勤続年数が少なく、多くの退職金が望めない人も同様。そういった人にとって、iDeCoは“自分年金”+“自分退職金”を作るための大切な制度なのです(逆に充実した企業年金があり、多額の退職金がもらえる人にはiDeCoのメリットは小さい)。

ちなみに私は従業員50人未満の中小零細企業に勤めており、当然ながら企業年金はありません。おまけに中途入社なので新卒採用者と比べて勤続年数が少なく、その分だけ退職金も少ないことが確定しています。そういった立場に人間が、公的年金等控除と退職所得控除のメリットを十分に享受するためには、iDeCoは欠かせない制度。だからこそ現在も満額拠出を続けているのでした。

【ご参考】PR
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。

iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。

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