2024年2月5日

GPIFの2023年10~12月の運用成績は+2.62%―すべての資産カテゴリーがプラスリターン

 

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2023年度第3四半期(2023年10~12月)運用状況が発表されたので定例ウオッチです。2023年10~12月の期間収益率は+2.62%、帳簿上の運用損益はプラス5兆7287億円でした。市場運用開始来の収益率は年率+3.99%となり、運用資産額は224兆7025億円となっています。


第2四半期は、わずかにマイナスリターンでしたが、第3四半期は一転して堅調な運用となりました。

2023年10~12月は、世界的なインフレ高進もピークアウトの兆しを見せたことや景気減速への懸念から欧米の中央銀行も金利引き上げを停止し、将来的な利下げへの期待が高まりました。このため金利が低下(債券価格が上昇)し、株価は上昇しました。

GPIFのポートフォリオも国内債券、外国債券、国内株式、外国株式いずれの資産カテゴリーもプラスリターンとなっています。とくに外国株式は+4.91%と全体を牽引し、国内株式も+2.05%と堅調でした。また、外国債券も+2.55%と好調です。引き続き国際分散投資が有効に効果を発揮していると言えるでしょう。第3四半期末段階での資産配分も基本ポートフォリオから大きな乖離はなく、落ち着いた運用ができています。

GPIFの運用成績がプラスリターンになるとあまりメディアでは大きく取り上げられない状態は相変わらずですが、GPIF自身が積極的に情報を公開しているので、それを参照することで運用の状態を正確に知ることができます。今回もGPIFの運用が健全に行われていることを確認できました。引き続き頑張って欲しいと思います。

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