2023年10月23日

DC専用ファンドにも全世界株式インデックスが登場―2023年10月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績

 

SBI証券のプランで拠出している個人型確定拠出年金(iDeCo)の10月買付(9月拠出分)ので定例報告ですが、あわせて新ファンド設定のニュースがあったので併せて紹介しようと思います。ニッセイアセットマネジメントがDC専用ファンド「DCニッセイ」シリーズに全世界株式インデックスファンド「DCニッセイ全世界株式インデックスコレクト」を新規設定しました。DC専用ファンドで全世界株式インデックスファンドは珍しく、要注目のファンドだと思います。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.09889%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.1085%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.058%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

累積損益率は10月21日段階で47.0%となっています。過去最高値からは若干低下しましたが、引き続き高水準を維持しています。円安基調が続いていることで外国資産に投資するインデックスファンドの基準価額が高値を維持していることが寄与しました。

さて、私もiDeCoで投資ているニッセイAMのDC専用ファンドシリーズ「DCニッセイ」にたらしく全世界株式インデックスファンド「DCニッセイ全世界株式インデックスコレクト」と海外株式(日本除く)アクティブファンド「DCニッセイ/サンダース・グローバルバリュー株式ファンド 」が設定されました。また、「<購入・換金手数料なし>」シリーズに新規設定される米国株式インデックスファンド「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・S米国株式500インデックスファンド」もDC・一般販売兼用となります。


 「DCニッセイ全世界株式インデックスコレクト」は9月15日設定で、運用管理費用(信託報酬)も年率0.1045%(税抜0.095%)も低廉です。インデックスファンドを使った国際分散投資では全世界株式インデックスファンド1本で運用するのが人気となっていますが、DCでもこの手法が採用できるメリットは非常に大きい。ぜひ企業型DCやiDeCoで多く採用されて欲しいと思います。

一方、「DCニッセイ/サンダース・グローバルバリュー株式ファンド 」は9月6日設定で、運用管理費用は年率1.0725%(税抜0.975%)となります。サンダース・キャピタルが運用するアクティブファンドであり、年金基金や機関投資家に提供している運用手法を個人にも提供することがコンセプトとなります。アクティブファンドなので現段階で評価はできませんが、運用管理費用は1%未満の水準となっており、少なくともコスト面では合格だと思います。

ニッセイAMは「<購入・換金手数料なし>」シリーズだけでなくDC専用の「DCニッセイ」シリーズでも断続的に運用管理費用の引き下げを行っており、インデックスファンドの低コスト化で問題が顕在化した“一物二価問題”を解消しようとする姿勢が明確です。加えて商品ラインアップの面でもDC専用ファンドで良心的な商品を充実させており、非常に好感を持ちます。

ぜひ企業型DCやiDeCoの運営管理金融機関には「DCニッセイ」シリーズの新ファンドを積極的に採用して欲しいと思います。

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【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。



iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。

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